Sec 2 - 第11話
ミリアが
「―――――なにしてんだ?」
「困ってんじゃないか?もしくは
「なんだそれ、笑える」
・・後ろで、好き勝手言っているケイジやガイや、ガーニィの声が耳に入ってきてるけど。
ミリアはほんのちょっとだけ、しかめっ
・・・!って・・、
・・どうしてこの子が笑ったのかは、ケイジが
「・・ふんぬぅー、・・・。」
それからまた急に、こっちをパっと振り返って、じっ・・・と私を見てくる。
私を、
でも、今なら話を聞いてくれそうな気がする・・・なんとなくだけど、そう思った。
「えっと、」
私は、口を開いて。
と思ったけど、何を話せばいいんだろう?・・えーと・・、落ち着いて、話すために次につなげる言葉・・・?・・とは。
そもそも、今なら、っていうか・・・私たちのこの
・・いや、この子とは、ついさっき会ったばっかりなんだけれど。
―――――なんにも思いつかない。
ケイジがこの子とちょっと話してた、・・会話になってたような、なってかったような?・・えっと、たまに、わからない言葉を
―――――って、
左手の指の間から、この子がじっと見つめてきてくれているのは、わかってる。
その子の目とも何度か合っている、
だから、えっと。
そう。
落ち着いて話そう。
「あのね?」
この子には、はっきり言った方が良いと思う。
「私たちに用があるなら・・」
「・・ぬっ?」
――――――って、
その子が急に何かに気が付いた、その
「・・ん?」
気が付いたケイジもそれを見つけて、というか、ケイジは左手に黒い丸いなにかを持っていて、食べているようだ、いつの間に。
「それどコにあったぁ!?」
って。
その子がまっすぐ
目を
ので、耳のマッサージついでに、ちょっとだけ
その後ろを追って振り返るミリアの口の
「ヤらねーぞ。」
「イらなイ!」
ケイジとその子がまた、
まあ、食べかけみたいだし・・。
「ドコにあったんだヨっ、」
って、
「
そっけなくしてた。
「・・ナぁーっー!」
その子が、もっと
・・・・はぁ・・。ケイジがそれを見て、・・ニヤリとしたようだった、
・・・・はぁ・・。
なんか、もうどうでもよくなってきた。
「ぬっ?」
ぴくっと、その子は。
「・・うはははははぁっ・・!」
って、ガイの方、テーブルの方に
「あ、おい、俺らんだぞっ・・!」
「まあいいじゃんか、」
ガイもケイジを
テーブルの上のサンドイッチの包みを頭の上へ
「おんなじのが無い!」
・・あぁ。
「・・っくっはっはっはっは・・・!」
今度はケイジが勝ち
やっぱり悪い顔だ。
・・まあ、からかって遊んでるだけみたいだし。
というか、もう
「ドコにあっタぁ・・!・・?」
「おしえねー」
「ぬぁんだヨぉおーっ!オマえぇーっ!」
・・
ケイジはなんか、普通に話しているし、
いや、いじめたがりなのかな・・・どっちかっていうと、ケイジは。
小さい子と遊ぶケイジは――――――あのブルーレイクのときの、あの
子供たちに、まとわりつかれてたっけ。
・・・。
ちゃんと話してる、2人は。
なんとなく。
・・ふむぅ。
いろいろあったけど。
わかったような気がする。
まあ、それより、その子が
たぶん『おにぎり』というもので、黒いのは
その中のお
いつの間に、ケイジがその
食べかけのそれは、
「おしえね」
「んがあぁあぁ!」
その子がもう、
ケイジもいつも通り過ぎるので、ミリアもつい口を開いてた。
「そんな・・
ため息っぽくなったミリアだけど、ちゃんと
ケイジに、小さな子供に向ける言い方かもしれないけど、
さすがに、『ダメ・・っ』と小さな子供に言うような言い方ではないけど。
「へっへぇ、」
ケイジはまだニヤニヤ笑ってて、こっちの注意を聞いてないし・・。
「ケイジ、もうちょっと
って、ガイも見かねたように言ってた。
ガーニィと
「やさしくってなんだー!」
その子がガイにも
「おっ、ごめん、ごめん。あいつが親切じゃないんだよね?」
ガイも
「うん!ん?」
「わかってねぇんじゃねぇか?」
「ダマレ!」
「ぁあぁん?」
「おいおい、ケイジ、ケイジ、」
もう、いつの間にか、あの子のこととか、当たり前のようにみんな、気にしてないみたいだ。
「こいつが
ケイジが
「ンガぁーっ・・!」
あの子が、
「まあいいじゃんか、それくらい、」
ガイが
「よくはネェ。」
「コッチモだかんナ!」
「お前はなにがだよ、」
・・ケイジの
だから、ミリアは、とりあえず声を、あの子へ、声をかける。
ケイジに
「
「行く!」
―――――って、こっちを振り向いたその子が。
こっちを、見たほんの一瞬で。
1つ瞬きをすると・・私を見つけて。
それから、にいっ・・って。
笑った、私へ、
――――うん。
笑顔を、私へ。
その子は、
めいっぱい、口の
私は、ちょっと
急だったから。
――――――ちょっと、笑ったのかもしれない。
あと、やっぱり。
『
まあ。
――――――私が、ちょっと
ほんの少しの
どうでもいっか。
この子が、こんなに、めいっぱい笑うなら。
「―――――ロヌマ。こんな所にいやがった、」
―――――・・って、こっちへ声を掛けられたのは、
ミリアは少し、
「
この子を呼んだのか、横から大きな
「ぬっ?・・シン!」
あの子が名前を呼んだ―――――・・
その子の知り合いらしい、なら『EAU』の隊員だろう。
その大きな男の人、ガイよりもだいぶ
見た目は動きやすそうなTシャツにズボン、ラフな
「なにしてんだ?ったく・・、いちいちお前は、どっか行きやがって・・、」
って、静かに見下ろしている彼の口元が
『ゴドー!』
って、この子がちょっと
さっきからの声は、このゴドーっていう人のもののだったようだ。
というより、最初に見つけた『シン』っていう人が見上げるくらい大きいから、目に入らなかったのかも。
ちらっと、こっちを見た彼、ゴドーさんと私は目が合ったけど。
彼らは、私たちよりもけっこう年上だろう。
それに、ゴドーさんは大きな彼、シンさんの隣にいるからちょっと小さな
そして、その後ろに立ってるシンと呼ばれていた大きな彼は、その
「で、何してたって?」
そのゴドーさんがその子に
何をしてたか・・私達もわかってないけど。
・・おしゃべり?
その子、
そして
急にさっきの続きを思い出したのかもしれない。
なんか、わかる気がする、この子の考えていることが。
「あん?」
ケイジがまた
まあ、もう
それに、ほんとに、ころころ表情が変わる子だな、って。
名前、確か『ロヌマ』って呼ばれていた。
そう、この子の名前は『ロヌマ』だ。
たぶん。
初めて名前がわかったけど。
逆に、『初めまして』って
「なんだ?やるか?あぁん・・?」
「ぅぬぁあーるっ・・!」
特に、ケイジには
今も
って、大きな彼がぬっと静かに動いていた、のに気が付いたときには、シンさんがロヌマのその後ろに立って、ネコの首根っこを
「ヌぬぁあーっ!?」
・・・あ。
あれが、ロヌマの
「で、何してたんだ?ロヌマ、」
ゴドーさんがそう、シンさんが
ロヌマは彼らへ向けてか、って、その胸の前で
「センパイだからな!」
って、大きく胸を張って言ってた。
元気の良い、気持ちのいい声は、とてもまっすぐで、耳によく
――――その後に
いや、私達の音が
――――・・・・―――――・・・あー。
なんとなく、わかったような。
わからない部分も、まあ、あるけど。
それはまあ、
周りのみんなも、本当にみんな、きょとんとしているようだし。
私には・・じわじわと伝わってきてる。
そもそも、みんな
えっと、今までに、わかったことをまとめると。
『この子は、ロヌマっていう』らしい。
そして、『
・・なるほど。
「・・ぶはははっ!」
って、ゴドーさんが
「ぬ!」
ロヌマが
「ソレがなんだよ、」
って、ケイジが
「せンパイならっガァアーーっていくの!当たり前だロ!」
ケイジにはとっても
・・なるほど・・・。
いや、ぜんぜん
つまり、たぶん、そういうロヌマの
最初に私たちとバッタリ会ったときに、・・
まあ、なんとなく、『そんなようなこと』の気はしていたけれど・・・。
ロヌマにとっては、そういうものらしい・・・?・・。
「ぶぁっはっははっ、まあっ、そうだなっ・・・」
だからロヌマはもうちょっと
「また
って、ゴドーさんがニヤニヤしてて・・・。
「・・ぬ??」
ロヌマが、
ぁ、ゴドーさんの、これは
ふぇっ、へっへぇぃ、と
きょとんとしているロヌマが、それを
そして、何も言わない大きなシンさんは、一番
その
そして・・・、
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