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2022年10月9日 21:14
自主企画「『☆1つはgoodという意味』な皆さんの集い」にご参加くださり、ありがとうございます。 この作品は……何と言うか、難しいですね。 余計なお世話だとは思いますが、改善を中心に、感想を書かせていただきます。 転生したらスライムだった、転生したら剣だった、という作品があることは耳にしています。 ですが、主人公を活躍させるために「ただのスライムではないぞ」、「普通の剣とは違うぞ」という話が強調されるようになるとそれだけ、最初に主人公がスライムや剣に転生したことの意味がなくなってくるとも聞いています。 スライムが魔物として最弱だから、「転生したらスライムだった」という事実に主人公がどう立ち向かうのかが楽しみになるのであって、何でも食べられて、食べた相手の能力を何でもコピーできてしまうなら、それはスライムではなくただのチートモンスターです。 あの作品の発表当時はまだモンスターに転生する事例は少なかった気がしますが、それでも主人公がチート能力持ちなのは珍しくありませんでしたし、TVアニメ版も、主人公がスライムではなく人間の姿をとるようになった辺りで人気が急落したんじゃありませんでしたっけ。 まあ、それはともかく。 本作の場合、転生先がまな板という時点で斬新さはあると思います。ただ、斬新すぎるがゆえに、作品の方向性がよく分からなくなっていて、ちょっと読みづらいというのが正直な感想です。 たとえばこれが剣なら、何らかの形でバトルに巻き込まれるのだろうと予想がつきますし、「どんな人物が持ち主になるのか」、「どんなキャラクターたちがどんなバトルを繰り広げるのか」、「その中で主人公(剣)が持ち主に対して何を思い、どんな協力をするのか(あるいはしないのか)」などを楽しみにすれば良さそうだという見通しが得られます。 もちろん、読者に先の展開を予想させない方が面白いということも多いのですが、全く予想が付かないと、何の話をしているのか分からなくなってきます。 本作の場合、エルド公や料理人が主人公のまな板に命を預けるとか、ここぞという場面でまな板の能力を引き出すという展開はおそらくないと思いますし、仮にそうなったとしたら、スライム同様、それはそれで面白くないというか……、はっきり申し上げると、出オチ感が強すぎて、この後もっと面白くなると思えないんですよね。 読者として主人公の人柄や目的意識に興味を持てるとか、主人公の語り口に独特のセンスやユーモアが感じられるなら、話の方向性が見えなくても読み物としては楽しく読むこともできるかもしれませんが、本作の場合、まな板に転生したという事実が突拍子もなさすぎて他のことどころじゃないというのもあって、主人公の人柄や生い立ちがまともに紹介されないまま来てしまっているように思います。 交際相手の佐竹唯奈さんや中華包丁のアレッサンドロなど、後々重要になりそうなキャラクターがいるのは分かるのですが、前置きを済ませて本題に入るまでに、もう少し工夫というか、文字数や時系列の調整が欲しいと思いました。 僕個人として、バトルシーンから始める異世界ファンタジーはあまり好きではないのですが、早い段階で主人公でまな板であることを示せるなら、そういう書き方も視野に入れて良いかもしれません。 最初に主人公がまな板に転生して、それでも異世界で活躍している場面を見せれば、読者にインパクトを与えられるはずですし、その後で「転生したばかりの頃は大変だった……」という感じで回想シーンにはいれば、回想が多少長くなっても「何の話?」ということにはなりにくいのかな、と。 長文失礼しました。 このコメントは、自主企画の趣旨に反して批判的な内容ばかりになってしまったので、ご確認いただいた後は削除してくださって構いません。
作者からの返信
あじさい様。読んでいただき、ありがとうございました。仰る通り、読み返してみて自分でも掴みが弱い、はっきりしない部分というのは何となく感じていました。言葉にしていただき、読んでみて、やっと腑に落ちた感があります。取り敢えず、書ききったらお直ししてみようかな。貴重なご意見、ありがとうございました。
自主企画「『☆1つはgoodという意味』な皆さんの集い」にご参加くださり、ありがとうございます。
この作品は……何と言うか、難しいですね。
余計なお世話だとは思いますが、改善を中心に、感想を書かせていただきます。
転生したらスライムだった、転生したら剣だった、という作品があることは耳にしています。
ですが、主人公を活躍させるために「ただのスライムではないぞ」、「普通の剣とは違うぞ」という話が強調されるようになるとそれだけ、最初に主人公がスライムや剣に転生したことの意味がなくなってくるとも聞いています。
スライムが魔物として最弱だから、「転生したらスライムだった」という事実に主人公がどう立ち向かうのかが楽しみになるのであって、何でも食べられて、食べた相手の能力を何でもコピーできてしまうなら、それはスライムではなくただのチートモンスターです。
あの作品の発表当時はまだモンスターに転生する事例は少なかった気がしますが、それでも主人公がチート能力持ちなのは珍しくありませんでしたし、TVアニメ版も、主人公がスライムではなく人間の姿をとるようになった辺りで人気が急落したんじゃありませんでしたっけ。
まあ、それはともかく。
本作の場合、転生先がまな板という時点で斬新さはあると思います。ただ、斬新すぎるがゆえに、作品の方向性がよく分からなくなっていて、ちょっと読みづらいというのが正直な感想です。
たとえばこれが剣なら、何らかの形でバトルに巻き込まれるのだろうと予想がつきますし、「どんな人物が持ち主になるのか」、「どんなキャラクターたちがどんなバトルを繰り広げるのか」、「その中で主人公(剣)が持ち主に対して何を思い、どんな協力をするのか(あるいはしないのか)」などを楽しみにすれば良さそうだという見通しが得られます。
もちろん、読者に先の展開を予想させない方が面白いということも多いのですが、全く予想が付かないと、何の話をしているのか分からなくなってきます。
本作の場合、エルド公や料理人が主人公のまな板に命を預けるとか、ここぞという場面でまな板の能力を引き出すという展開はおそらくないと思いますし、仮にそうなったとしたら、スライム同様、それはそれで面白くないというか……、はっきり申し上げると、出オチ感が強すぎて、この後もっと面白くなると思えないんですよね。
読者として主人公の人柄や目的意識に興味を持てるとか、主人公の語り口に独特のセンスやユーモアが感じられるなら、話の方向性が見えなくても読み物としては楽しく読むこともできるかもしれませんが、本作の場合、まな板に転生したという事実が突拍子もなさすぎて他のことどころじゃないというのもあって、主人公の人柄や生い立ちがまともに紹介されないまま来てしまっているように思います。
交際相手の佐竹唯奈さんや中華包丁のアレッサンドロなど、後々重要になりそうなキャラクターがいるのは分かるのですが、前置きを済ませて本題に入るまでに、もう少し工夫というか、文字数や時系列の調整が欲しいと思いました。
僕個人として、バトルシーンから始める異世界ファンタジーはあまり好きではないのですが、早い段階で主人公でまな板であることを示せるなら、そういう書き方も視野に入れて良いかもしれません。
最初に主人公がまな板に転生して、それでも異世界で活躍している場面を見せれば、読者にインパクトを与えられるはずですし、その後で「転生したばかりの頃は大変だった……」という感じで回想シーンにはいれば、回想が多少長くなっても「何の話?」ということにはなりにくいのかな、と。
長文失礼しました。
このコメントは、自主企画の趣旨に反して批判的な内容ばかりになってしまったので、ご確認いただいた後は削除してくださって構いません。
作者からの返信
あじさい様。
読んでいただき、ありがとうございました。
仰る通り、読み返してみて自分でも掴みが弱い、はっきりしない部分というのは何となく感じていました。
言葉にしていただき、読んでみて、やっと腑に落ちた感があります。
取り敢えず、書ききったらお直ししてみようかな。
貴重なご意見、ありがとうございました。