第6話目玉

テーブルにくり抜かれた4つの目玉がある。


一つは赤い目玉。


黒目がなく、真っ赤。


まるで血を入念に染み込ませたような赤だ。


二つ目は虹色の目玉。


見るものの心を奪う鮮やかな虹色。


それは宝石と言っても過言ではない。


三つ目は金の目玉。


眩しい輝きが見る者の心を離さない。


四つ目は真っ黒な目玉。


混じりけのない黒。


目玉だと言われなければ誰も気づかないだろう。


私は四つの目玉を握り潰した。


ニュルっとした感触が心地よい。


その握り潰して出来た液体を全身に浴びる。


徐々に身体に異変が起きる。


身体は丸くなる。


腕と足が消える。


顔が消える。


私は白い球体になった。


そう目玉に生まれ変わったのだ。






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