第97話

 ロイさんが盆栽大会から帰ってきて、賞品のお披露目をする為に呼ばれたら、何と女の人が中に居たのだ!わたくし、驚いてしまいましたわ。


 そして、そんなこんなでわたくしは皆さんに内緒で、魚を取りに行きますの。NOEsに話を付ける為に、白貌ハクボウさんを傭兵として雇いますわ。


 車と船の手配は、爺やに任せました!


「アンナちゃん大丈夫?私、心配よ?一人で船に乗れるの……?」


 彩さんは心配してくれるので、甘えたくなります。ですが、わたくしは自分の力で果たしたいのです!


「大丈夫です、彩さん!自動運転が付いているので、余程の事が無ければ安全です!」


「それにしても白貌を雇うって、私で良ければ行ったのに……」


「いえ、これはわたくしがやるべき事なのです!」


「そう、わかったわ。気を付けてね」


「はい、行って参りますわ」


 そうして、アンナは白い車に乗り込み、町から離れる。



 ◆◆白貌視点◆◆



「風がー!きもちーですわー!!」


 俺はクルーザー船の甲板で寛いでいる雇い主を見る。こんな幼い見た目だが、やろうとしているのは国家規模のテロ攻撃だ。


「流通拠点ってどう確保するんだ」


 俺は雇われの身だが、雇い主に確認を取る必要がある。


「そうですね。少し話が短絡的でした。まずはNOEsに穏便に、ここら辺で研究用の採集を行うと連絡をいれます。恐らく、あの地域は過激派なので攻撃してくると思われます。そうしたら、正当防衛程度にノシてください。そしたらわたくしが交渉します」


 成程な、俺は一応納得した振りをしておく。俺達は今、太平洋を南下している。


「白貌さん、何か、質問はありますか?」


「そうだな……。アンドロイドとかは破壊しても大丈夫か?」


「もちろん平気です!その分の費用は私が払うので大丈夫です。報酬から天引きなんて真似、しませんわ」


「そうか。ならいい。俺は寝る」


「わかりました。では私は諸々の調整をvuでしていますので、もし何かあったら起こしてください」


 彼女はそういうと椅子に座り込み、意識を失う。はあ……純粋だな。もし俺が幼女趣味だったら危なかったぜ。まるで寝ているかのような彼女を見て、つい、俺は彼女の頭を撫でたい衝動に駆られたが、それをぐっと堪える。

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