第59話
現実に戻る。今日は5メートルの進行。かなりの戦果を収めた。自室のドアをノックされる。
「今日の夜はどうしましょう?」
「一緒にカレーでも作りますか?」
最近はご飯を現実で食べる事が楽しくなっている。クロエさんと一緒に料理をする。八百屋で買ったジャガイモ、ニンジン。そしてコケモモ。最近は捌くのに躊躇いが無くなった。
二人で調理して、食卓を囲む。美味しい。
カウンターで食後のコーヒーを飲みながら、ゆったりとした時間を過ごす。
「そういえば、春服を買いに行きませんか?」
「いいね、行こう」
クロエさんとデート。
喫茶店を出て、街を歩く。
「どんな感じのが欲しいの?」
「う~ん、特にこだわりは無いですよ。基本的に給仕服ですから。ただ、こういう機会じゃないとお洒落出来ないので」
「なるほど……じゃあ、俺が選んでもいい?」
「お願いします」
クロエさんは美人だ。スタイルも良い。何を着てもよく似合う。
「これなんかどうですか?」
白のブラウスに黒のスカート、カーディガン。清楚系ファッションだ。
「うん、良いね」
クロエさんは試着室に入り、着替える。カーテンが開く。
「どうかな……?」
「良いんじゃないですか!」
「だから!!!この料理に遺伝子改良された鶏が!!入ってるってどういうことよ!!!」
隣の店に大声で怒鳴りつける女性がいた。
「そんなこと言われても困まります」
店主らしき女性が反論する。ああ、原生主義者と呼ばれている、環境活動家か。取り敢えず店から出て確認する。
「お前達は、我々の邪魔をしているのだ!!今すぐ店を畳め!!」
「何を言っておられるのか分かりかねます」
「貴様ぁ!!」
一緒にいた男は銃を取り出す。店員達が悲鳴を上げる。
「ちょっと!」
クロエさんが前に出る。危ないって。
「なんだ貴様は!?」
「通報しますよ!通報されたくないなら早く何処かにいってください!」「黙れ!!我々は、崇高な主義を掲げている!!!コケモモという六本脚の鶏を飼育している貴様らにこそ責任がある!!」
「意味がわかりません」
「我々こそが真の人間なのだ!貴様らは家畜だ!さっさと失せろぉ!!!」
「この人達やばいですよ……」
銃弾が放たれる。
俺はクロエさんの肩を掴み、後ろに下がる。手のひらの中に銃弾が収まる。貫通し、地面に落ちる。
「え?ロイ君?え?え?」
「下がってください」
「は、はい……」
「おい、お前もしかして改造人g」
「ふん!」
男を殴り倒す。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます