第52話

 一ヶ月後。季節は秋。ついに種を蒔いた田んぼの稲が収穫できるようになった。稲穂はしっかりと上を向いていて、風に揺れていた。稲刈りをして脱穀する。


「いやー豊作豊作」

「凄い綺麗ですわね!!」


 まずはお米を一合炊く準備をする。研いだお米をボウルに入れ、水を一合の半分まで入れる。水に浸けておく時間は約30分。


 これを浸水と言う。


 浸水が終わると、洗った内釜に入れて、蓋をして、中火にかける。


 沸騰してきたら弱火にして5分程蒸らす。そして強火にし、20秒位炊きあげる。最後に蒸らし終わったお米を冷まして、お米に吸わせる。


 こうすることでふっくらと仕上がるのだ。


 お茶碗にご飯を盛り、冷凍保存しておいた手羽先と大根煮を温めなおし、キメラ飯の完成である。


「いただきます!!」


 早速食べてみる。噛むごとに甘さが溢れる。これは美味しい!ほろほろと崩れる大根と一緒に食べれば圧倒的な優しさが襲ってくる。


 隣では既に完食した様子のアンナ。感動しているようだ。


「ん~~~おいしいですわ~~~」


 自賛になるが、俺の作った米、本当に美味しい。



 実験での生育は成功したので、早速農協に連絡。来年の春から実地で生育をする。

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