第366話 業夢の研究成果と、天下餅のゆくえ
366
「
勇者パーティのひとつ〝
「やめろ、何をす、ゲホッグヒャッ」
「僕が手を加えた〝
越斗は懐から瓶に入ったドス黒い血のような液体を取り出して、ゆらゆらと振りながらクツクツと
「だが、他ならぬお前がよく知っているだろう。お前が葬った
「ぎゃぼっ」
越斗は人間離れした力で業夢の口をこじ開けると、〝
「クククッ。エセ策士め、真の策士なら、僕のようにスマートでないとね」
越斗は笑う。
赤い瞳に狂ったような歓喜をにじませて。
表の政争という舞台で、
「冒険者パーティ〝
「い、いやだ。わしは人でないものになんてなりたくない。わしは本当は……」
一方、自らが生み出した技術によって、人間でなくなろうとしている業夢は、政敵であった
『ファック! 賈南も言っていたことけどな、お前は陰でこそこそ悪事をたくらむだけが取り柄のツマラナイ野郎だ。何もかも
業夢は嘆く。
あの孫のような年齢の少年も、眼前で笑う狂った悪鬼も、まるでわかっていない。
彼は陰謀家になりたかったわけではない。冒険者として前線に立ち続けた理由、長きにわたり〝鬼の力〟に触れながら、正気を保ち続けられた理由はひとつだ。
『業夢、行こうぜ』
若き日に、モンスターを相手に毅然と立ち向かう後ろ姿を思い出す。
七罪業夢がなりたかったのは、
「わしは、本当はっ、
「自分の欲望のために、恩人を殺し、部下を殺し、死体で遊ぶ奴はヒーローとは呼ばない。お前はとっくに鬼に堕ちている!」
「いやだああ。わ、わしが変わる。変えられる。だ、だれか助けてくれ、ほむらああああああっ」
業夢が夢中で伸ばした手は、何も掴むことはない。
「
――――――――――
あとがき
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