第350話 恐るべき霜
350
「だめだ、変わらない。音で集中できないだけじゃなくて、
「フフフ、驚きましたか? 業夢様の鈴音と、私の霜は呪いだ。怪我じゃないから、治ることもありません!」
「ギャハハっ。これが〝
額に十字傷を刻まれた少年、
若返った敵の首魁、
「さっきやられた礼だ。ぶっ殺して血をくらってやる。〝
索井がカマキリのように変化させた鎌と、彼の部下達が振るう影の剣が、
「深く考えずに前へ出過るからだ。
「
「霜のせいで光が乱反射して、思うように戦えませんわあ」
「フフフ。〝
「くそ、皆を助けにいきたいのにっ、影の武器が強いっ。業夢さんのスタミナ、おかしいだろうっ」
「あの吸血鬼野郎め、若返って更に力を増してやがる。血から得られるエネルギーって、そんなに凄いのかよ?」
「ニャ、ニャー(吸血鬼の割には、太陽はまだ出ているのにダメージを受けてる気配はないし、乂が以前買った十字架風のアクセサリを見せてみたけど、変化はなさそうね)」
桃太と、彼の相棒である金髪少年、
「ぐひゅひゅ。死人ではなく生者なのだから、太陽を怖れる必要などなかろう? わしは聖書を読むが、あいにくカトリックでもプロテスタントでもないから十字架を見せられたところで何とも思わんよ。ニンニク入りの
業夢が人間離れした長い舌を振り回しながら〝
「にゃん(右、左、一歩下がって!)」
「乂、右の剣は俺が砕く。我流・
「わかったぜ、相棒。左の槍は任せろ!」
桃太は右腕に巻きつけた二メートルほどの衝撃刃で一〇〇近い影の凶器――〝傲慢の剣〟を叩き折り、乂もまたハリネズミのように並ぶ〝強欲の槍〟を黄金色に輝く短刀で斬り散らす。
二人が鈴の呪いに侵されながら、およそ軍勢とも言える影の武器と渡り合えるのは――、乂の首にマフラーのように巻きついた凛音が、敵の攻撃パターンを鬼神具の瞳で予測し、共有しているからだ。
「桃太君、乂。大丈夫よ。戦っているのは貴方達だけじゃない」
凛音が励ますように叫ぶと同時に、予想もしなかった声が戦場に凛と響き渡った。
「
――――――――――
あとがき
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