第353話 伊吹賈南と焔学園二年一組の連携
353
「こ、これは空中に、麻痺毒のあるイバラを巻きつけた鉄線を張り詰めているのか?」
「仮にも勇者パーティに向かってなんという暴挙か!」
「アハハ、吸血鬼が何をいう? お前達のような
テロリスト団体〝
「賈南さんも詠さんも凄い。それに業夢さんも、あの一瞬で光学迷彩だと見抜いたのか。底知れない」
「ぐひゅひゅ、これが年の功というものよ」
額に十字傷を刻まれた少年、
「おかしいな。この吸血鬼ジジイ、なんで声をあげるだけで、すぐに動かなかった? それとも、〝この場所で戦わなきゃいけない理由〟でもあるのか?」
「……最近は腰が痛くてのう」
その一方で、桃太の隣で戦う金髪の長身少年、
「コケーッ、光で隠していたのがバレてしまいましたわーっ」
「なあに、カラスどもを逃してしまえばこっちのものよ。今さら見つかったところで痛くも
桃太と乂が対照的な反応を示していた頃、詠と賈南もまた、正反対の顔色を浮かべていた。
年齢にしてはグラマラスな詠がニワトリのような悲鳴をあげる反面、色気のない賈南は余裕たっぷりにほくそ笑む。
「毒には毒をぶつけるのが定石! この谷はキノコやら草花が生い茂っているから、毒の素材も豊富。
「有るものを組み合わせて、最大の効果を発揮する賈南さんのアイデアは勉強になる」
賈南は自信満々で言い放ち、白衣を着た少女、
「こ、
「アハハ、呪いの鈴音など、妾にとっては環境音楽に等しい。うかうかすると眠ってしまいそうじゃ。ほれこの通り……」
「「戦場で寝るなよ」」
賈南が鼻ちょうちんを作って寝息をたてるや、あまりの
「こうまで馬鹿にされては捨ておけん!」
「やろうぶっ殺してやらああ!」
索井ら、
「おうおうやるのおっ。鬼さんこちら手の鳴る方へっ」
が賈南が拍手しながら囃し立てた直後、〝
「があああっ、落とし穴だとおおっ」
「異界迷宮産の果実を使った地雷だけではなく、こんな大掛かりな仕掛けまで、いったいいつ用意したというのです?」
「それは勿論、出雲桃太がカラスどもの竜巻から逃れるために使った穴に、
「さっすが賈南ちゃんっ。やったね!」
「BUNOOー!」
変幻自在の〝
「アハハ、
――――――――――
あとがき
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