第163話 清水砦防衛戦
163
「新たな英雄、
「さすがは〝
しかし、戦果をあげればあげるほどに、クーデターの主犯たる
「まだ虫ケラが残っていたか。今度こそ、我が手で滅ぼしてくれる!」
西暦二〇X二年六月三〇日早朝。
本拠地である第七階層〝鉱石の荒野〟を発った
「砦を取り巻く敵多数。湖の
「いつもの灰色騎士と、赤い八本足の虎が来るぞ!」
清水砦は、館のある本丸を中心に内壁で囲み、防衛線を展開する為の二の丸と、それを守る外壁という、二つの壁で守られた
その裏門である北側外壁を守る、二年一組の研修生。
「炭が足りないからって、電気コンセントに切り替えた? なんて無茶をするサメー」
「こうも多勢に無勢とは勘弁して欲しいぞ。しかし、サアメ、あれこそが啓介の想定していたケラウノスの使い方だろうよ。ほれ、
関中や羅生の隣に立つ、紗雨と賈南が防壁の上から
灰色の鎧をまとった〝
もはや半ば鬼と化しているらしく、傷口からは血の代わりに赤い霧と黒い雪をボロボロと垂れ流している。
「さしずめ、発電機に繋がれて行進するブリキ人形の軍隊ってところかな。いつか紗雨ちゃんが例に出した、ゾンビ映画みたいだ」
「あれはサメ映画じゃなかったか? 勇者パーティがテロリストに落ちた挙句、パニック映画の役者に転職か、笑えん冗談だ」
死人にも似た軍勢は岩場を迂回、関中や羅生ら、二年一組の生徒達が籠もる砦の北の防壁へゆらゆらと近づいてくる。
「〝
「〝
北壁の守備隊は、矢や火の玉を放つも――。
「「「AAAAAAA」」」
神鳴鬼ケラウノスから伸びる光輝く糸に繋がれた〝鋼騎士〟や〝式鬼〟達は、負傷をものともせず、操られるがままに砦へ向かって突撃した。
〝
「な、なにを考えているサメエっ!?」
「サアメ。四鳴啓介にとって、人命など鼻をかむチリ紙ほどの価値もないということだっ」
灰色の鎧を着込んだ鋼騎士と、赤い八足虎の群れは、もはや意思があるのかすら不明な死んだ目で、肉の弾丸にでもなったかの如く、清水砦の壁や門に激突を繰り返す。
そして、倒れても倒れても、南のワープゲートから人員が補充されるのだから、たまったものではない。
「ええい、モグラ叩きじゃあるまいし」
「まずい、砦の門が破られるぞ!?」
――――――――
あとがき
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