第43話 断罪
43
灰色髪の剣鬼、
「
「
「やはりっ、すべてがお前のせいだったのか!」
「鷹舟よ、すべてとは何か?」
賈南は瀕死の重傷にもかかわらず、澄ました顔で逆に問いかけた。
「己が実力を勘違いした弘農楊駿が、日本国支配を謀って自滅したことか?」
「
「青臭い正義感にかられた
賈南の問いが重なるたびに、鷹舟は息を荒げて、まるで敗者であるかのように後ずさった。
「それとも……、出世欲に駆られたお前が、他の誰でもない
「違う、俺サマは凛音の為に」
鷹舟は強がって声を絞り出すも、構えた刀の刃先はブルブルと震えていた。
「すべて、手をくだしたのはお前達よな。だが、正しいよ」
「なんだと? ひっ」
鷹舟の疑問に応えたのは、頼みとする〝
〝茨木童子の腕〟と名付けられた、機械仕掛けの義手に目鼻がついて、開いた口から言葉を発したのだ。
「空間干渉兵器〝
「うそだ、うそだあああ」
鷹舟はあまりの事態に狂乱し、ただひたすらに暴れた。椅子を壊し机を壊しベッドを壊しても、目の前の悪夢は覚めない。
「鷹舟よ。かの英雄、
「だまれ、だまれえ」
鷹舟は狂ったように賈南の肉体に斬りつけて、
「凛音、今、助けに行く。俺サマは、俺サマだけはお前の味方だ。どんな汚い手を使っても、必ずお前に光射す未来を与えてやる……」
「ああ素晴らしい。恵んでやる導いてやると、勘違いした上から目線。世を変える為ならば手段を選ばずとも良いという、身勝手な
獅子央賈南の髪は抜けて、目もおちくぼみ、肌の色も死人のように変わっている。
人間としての彼女はとうの昔に死に、今や八岐大蛇の化身となった鬼女は、赤い霧と黒い雪に溶けながら大口を開けてケタケタと笑った。
「妾ら竜の
だが、北の愚者どもが二つの世界を繋いでくれたお陰で、妾達は地球という新しき贄を得たのだ。
もはや時代遅れの幽霊が抗おうと
――――――――
あとがき
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