第42話 剣鬼と魔女
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英雄、
「そうだ。俺サマも、誰も彼も、あの方が亡くなるなんて想像もしなかった。だから、焔様の年若い後妻、弘農
「
賈南が笑いながら金棒を振り回すや、鷹舟は刀で受け止めきれずに吹き飛ばされた。
「だが、楊駿も奴の集めた議員も国内外の混乱をあおりたてるばかりで、一切の政治能力を持たない素人集団だった!」
鷹舟は後方回転しながら受け身を取り、賈南の金棒と
「そうよなあ、特に目立ったのは安全の軽視よ。自らの親族や票田を肥やすため、
悪びれもせずに笑う賈南を前に、鷹舟は息を整えて距離をとった。もはや大技で仕留めるしかない。
「黙れ。楊駿の政権は二年ともたず、奴は行方不明、勇者党も崩壊したが……。今の与党が予算を戻しても、一度やめた研究者は戻らない。そこまで計算尽くだったのだろう。奴の背を押した真犯人、魔女はお前だ! 俺サマの〝
「舞台登場 役名宣言――〝
熟練の剣士は、立ち昇る闘気を〝鬼面〟に変えて被り、両足を獣の如く異形化させて、機械仕掛けの両腕をミシミシと鳴らしながら斬り込んだ。
「鬼剣・〝
鷹舟は、人間の限界を越える高速の斬撃を七度繰り出して、巨大な金棒を断ち割り、
「我が必殺剣は〝鬼の力〟をも喰らう。これで冒険者組合を握るのは、
「この期に及んで力任せとは、つまらんなあ」
獅子央賈南は刀で腹を裂かれ、内臓の代わりに赤い霧と黒い雪をこぼし、鷹舟の刀に吸い取られながらも、期待外れとばかりにため息を吐いた。
「妾を真犯人と呼ぶならば、せめてここまで掴めよ」
「なんだと!?」
賈南は壊れた金棒を投げつけ、寝室奥に吊られていたカーテンを破り捨てた。
そこには、二人の男女が抱き合う石像が飾られていた。
「この石細工がなんだって言うんだ。まさか!?」
――――――――
あとがき
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