第46話 魔性変生
46
「俺から恐喝未遂の次は、イナバの里で放火強盗殺人か。犯罪者の癖に何が
額に十字傷を刻まれた小柄な少年、
「出雲、おれも戦わせてくれ。伏胤、
「ふん、そんなもの、食っちまったヨ。林魚、それより自慢のリーゼントが台無しじゃないか。まるで弱っちい、いいや、俺が強くなったのか?」
正気を取り戻した
「皆っ、力を貸してくれ、
「「わかった出雲。うおおっ、やってやるぞ」」
林魚の部下だった九人の研修生も、それぞれ岩石を手に接近し、あるいは〝鬼の力〟が生み出す魔法で支援する。
「我流・
桃太は、右腕から二メートルに及ぶ衝撃波を生み出して、〝鬼の力〟の結晶たる、〝赤い霧〟と〝黒い雪〟の入り混じる伏胤の肉体に叩き込み――。
「「うおおおっ」」
続いて林魚ら〝
「てめえら、なにしやがる。GIYAAAA!?」
伏胤の巨体が爆発し、彼がまとう〝
「このまま押していくぞ!」
「出雲君と一緒だと、なんだか力が溢れてくるわ」
「
桃太はこの時、黒い瞳を青く輝かせ、異界より与えられた〝
一度は刃を向け合ったといえ、この場にいる全員が
〝鬼の力〟による洗脳も解けたことで、研修生達は息の合った
遥花のリボンが守護する友人達の首を避けつつ、赤い霧と黒い雪の巨人に
「クソが、クソがああ」
「センセ、センセ、センセエエッ」
さしもの巨体も総攻撃に耐えきれず、伏胤は二〇人分の首を飾り付けたままドウと倒れた。
「やったか!?」
「白鬼術やC・H・Oのサイボーグ技術を使えば、首だけでも助けられるよね?」
林魚達は、仲間を助けられるチャンスを得たと歓声をあげたが――。
「まだ終わってない。目を離したらダメだ」
桃太は優勢ながら、妙に噛み合わない違和感を覚えていた。
「痛え、痛えよおお。この痛みは許せねえナア。〝
「和邇鮫の皮衣、だったか? 反応がおかしいぞ。総員、退避しろおっ」
桃太の警告と林魚の迅速な判断により、白兵戦を挑んだ五人は転がるようにして後方へ離脱。
伏胤が
「ふひ、ザエ……ボス? そうか。お前はザエボスと言うんだな。いま、エサをくれてやる。契約は成立だ!」
「せんせ、れっとうせ、タスケ、AAAA……」
されど
「
仰々しい冠のついた鬼面を被り、右半身が拳銃の付いた機械仕掛けのサイボーグ、左半身が
――――――――
あとがき
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