File053.ワイバーン

---------- お詫び ----------


前回はタイムスケジュールを間違えていましたが、今回は予定通りの時間で投稿いたします。




 警戒を始めてそろそろ3日経ちますね・・・遠見の魔法はほとんど魔力を消費しないようですね・・・かけっぱなしでも魔力消費はないのですが、遠くが見えすぎて気持ち悪くなってしまうので、必要なときだけかけるのだそうです。

 「お姉様、向こうの方に何か見えます。」

 向こうってどっちですか・・・馬車左手ですね・・・

 私はスコープも併用してみてみましょう。これなら大きく見えるでしょうから、何が飛んでいるのかしっかりわかります。

 「エマお姉ちゃん、ワイバーンみたいです。」

 「ホント?ちょっと見せて。」

 スコープをとられました・・・今度双眼鏡でも作りましょうか・・・この世界ではオーバーテクノロジーでしょうか・・・綺麗なガラスがないですからね・・・かなり曇ったガラスです。きちんと磨けば同じような物も作れるかもしれないので、1つ作ってしまいましょうか・・・


 「マーキス、アリスちゃんがワイバーンを見つけたわ。」

 「結構遠いのか?」

 「アリスちゃんのスコープでやっと見えるくらい。結構離れてると思うわ。」

 「・・・よし、このまま向かうぞ。全員いつでも戦闘できるよう待機してくれるか。」

 マーキスお兄ちゃんの号令でみんな準備を始めましたね、私達女性陣はみんな馬車の中で待機ですね。私ですか・・・馬車の上で1人待機です・・・仕方ないじゃないですか、ここが1番狙いやすいんですから。


 「アリスちゃん、撃てそうだったら俺に構わずドカンとやってくれよ。」

 「私が倒しちゃってもいいんですか?」

 「ああ、みんなに危険が迫るより先に倒せればそれが1番だ。」

 ロッドお兄ちゃん、きっと自分が倒したいんでしょうね・・・出来れば地面に落としたいですね。そこをマーキスお兄ちゃんとロッドお兄ちゃんでとどめを刺してもらうのが1番です。頑張って翼を狙いましょう。



 「マーキスお兄ちゃん、1発目撃ちます。」

 500メートルくらいでしょうか・・・ギリギリのラインですね、出来れば翼です。

 外れましたね・・・でもこっちには気がついたみたいですね・・・

 「第2射、行きます。」

 もう、200メートルくらいまで来てますよ・・・早いですね。連射できるようにしておいて正解です。

 ずいぶん高度を落としてますね、直接私達を襲うつもりでしょうね・・・ワイバーンにしてみたら私達は餌でしょうか?


 しっかり狙って、撃ちますよ。これだけ近いと翼とか言ってられないです。当たればいいです。

 当たりましたね・・・足の付け根ですか・・・攻撃を中断して上昇していきます。空の上なら攻撃が届かないと思ってるんでしょうね。そこそこ賢いじゃないですか、カラスくらいには賢いのでしょうか?

 「マーキスお兄ちゃん、とりあえず1発当たりました。このまま追撃しますね。」

 「おお、落としてくれたら俺とロッドで仕留めてやる。」

 「お願いしますね。」

 結構上まで上昇しましたね。普通なら絶対当てれない距離ですよ。普通ならです。私のライフルは別ですよ。300メートルくらいなら射程圏内です。ちょうどホバリングして狙いやすく待ってくれてますし、翼を狙わせてもらいましょう。念の為、2発連射です。



 「マーキスお兄ちゃん・・・よけてっ・・・」

 私ってバカでしょうか・・・真上に撃ったらワイバーンが落ちてくる所って真下でしょう。そんなことわかりきってますよね・・・

 しっかり翼に当たってくれたので、翼が凍って落ちてくるんです。



 ギリギリでしたね・・・

 あんなに上の方から落ちてもまだ生きてるんですね。ワイバーンって強いんですね。

 「よし、アリスちゃんが落としてくれたんだ、ロッド、俺たちで仕留めるぞ!」

 「アリスちゃん、行ってくるな。」

 行っちゃいましたね・・・接近戦ですか、出来なくはないですが接近戦はいやですね・・・

 「私達はお留守番ね。キティは怪我して帰ってくる2人のために準備しておいてあげて。」

 「はい、お姉ちゃん。」

 キティお姉ちゃんはいつも治療なんですね・・・生傷作って帰ってきますからね。

 「お姉様、私って役に立ってませんか?」

 「そんなことはないわよ。ワイバーンを見つけたじゃない。」

 うん、役に立ってませんでした・・・賢者でしたよね・・・もう少し色んな魔法を知ってたり・・・いえ、知っているのでしたね。使えないだけで・・・

 頑張って使えるようになりましょうね・・・

 「お姉様・・・もっと慰めてください・・・もっと甘えさせてください。」

 ちょっと、抱きつかないでください・・・まだ戦闘中ですよ・・・

 「イリス、あと、あとにしてちょうだい。今はまだ戦闘中だから。」

 「お姉様、言質とりましたよ。」

 えっ・・・イリス・・・あなた、計算尽くですか・・・おそろしい子です・・・



 マーキスお兄ちゃんとロッドお兄ちゃんは無事ワイバーンを仕留めてきましたよ。飛べないワイバーンはただのワイバーンですか・・・それって、同じじゃないですか?

 ちょっと硬いだけのトカゲみたいな物ですか・・・飛んでさえいなければ敵じゃない?なるほど、お兄ちゃん達は強いって事でいいんですね。






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カクヨムのコンテスト用に書き下ろした作品です。


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カクヨム

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