File052.遠見の魔法
遠見の魔法なのですが、遠くの物が見えるようになるだけの魔法で、拡大はされないようです。やっぱりスコープは必要ですね。遠見の魔法をレンズにかけておけば遠くの物をはっきり見えるようになるので後でレンズに付与しておきましょう。
とりあえず今回のテストは、ちゃんとまっすぐ弾が飛ぶかということなので的は木でも何でもいいですね。
ロッドお兄ちゃんに適当な木に印を付けてもらってそれを狙うことにします。
「アリスちゃん、言われたとおり弓の届く距離の倍と3倍の所で印を付けてきたけどあんなに遠くで見えるのかい?」
「ええ、遠見の魔法を使いますしスコープもありますからね。」
スコープで拡大しておいて、遠見の魔法を使うとよく見えるんですよ。これで外すなんて・・・いえ、見えているのと当てるのは違いますね・・・私がヘタだから外すことはありえます。
「アリスちゃん、準備はいい?」
「はい、準備できてます。」
エマお姉ちゃんが、遠見の魔法を使って当たったか見ているそうです。私もスコープ使ってるんでみえますけどね。
まずは、弓の射程の2倍からですね。ロッドお兄ちゃんに書いてもらった的には当たりませんでしたが木には当たりましたね。このまま5発撃ちきりましょう。集弾性のテストを兼ねてです。
意外と弾は集まりますね、1発だけ的に当たりました、3つ描いた丸の1番外側ですけど・・・
「しっかり当たってるわね。」
当たってるといえば当たってるんですけど・・・的には当たってませんよ・・・
「ロッドお兄ちゃんの描いた丸の中に当たるといいんですけど・・・」
「この距離であれに当てる気だったの?」
「ええ、狙ってましたよ。」
「とんでもないわね・・・」
さて、次は3倍の距離ですね。スコープの倍率を上げて狙いましょう。
「それじゃあ、次の的を狙いますね。」
「あれに当てるの?」
「頑張りますよ。」
とりあえず1発目・・・ハズレですね、木にすら当たりません。2発目です。木に当たりましたよ。ずいぶん的からは離れたところですけど。
少し修正して3発目です。しっかり木に当たりますね。集弾性も悪くないです。弓の3倍射程まではなんとか当たるみたいです。後は私の腕ですが、その辺りは練習次第でしょうか・・・ワイバーンほど大きな物であれば普通に当てることも出来るでしょう。
「これなら使えそうですね。」
「使えるなんて物じゃ無いと思うわ。こんな距離で攻撃できるなんて・・・」
「ああ、強弓持ってきた俺がバカみたいじゃないか。」
ロッドお兄ちゃんには頑張ってもらいますから大丈夫ですよ。私はあくまで予備みたいなのものです。
「ワイバーンを落とすのはロッドお兄ちゃんにお任せしますよ。」
「アリスちゃんがやった方がいいんじゃないのか?」
「まだ、この武器にも慣れてないですし、すぐに使い物になるか分かりませんから。」
「十分に使えると思うがな・・・まぁ、アリスちゃんがそう言うなら俺が頑張るかな。」
もちろんサポートはするつもりですが、ロッドお兄ちゃんに頑張ってもらいましょう。
後はひたすら弾づくりですね。弾がないと私の銃は単なる鉄の塊でしかないですからね。銃にサイレントを付与できたのですから、銃弾にも何か付与できないでしょうか・・・爆発系の魔法とかどうでしょうか・・・当たったらドカーンです。以前オークを氷漬けにしましたが、ワイバーンは凍っても価値が落ちたりしないでしょうか?
「ロッドお兄ちゃん、ワイバーンって凍ったりしても価値が落ちたりしませんか?」
「特に聞いたことはないなぁ。マーキスはそんなこと聞いたことはあるか?」
「いや、無いな。」
「そうですか、以前オークを氷漬けにしてギルドに持ち込んだら素材が傷むって言われたんで、気になって。」
「オークは凍らせると革が傷むからなぁ、ワイバーンの鱗は凍らせた位じゃなんともならないぞ。」
「ありがとうございます。」
これで、氷魔法を付与してみることが出来ますね。どこかでテストをしてみたいですが、ちょっと危ないでしょうか・・・
一応、ショットガン用トライフル用の氷結弾を各1カートンずつ作っておきましょう。弾を作るのは1カートン単位ですが、付与は弾1個単位ですか・・・結構大変ですね・・・
全部で50発の氷結弾が完成です。これから他の弾も作っていきましょう。一応作りはしましたが成功かも分からないのですけどね。
「そろそろ、上空の警戒を怠らないようにしてくれ。」
マーキスお兄ちゃんですね、もうそろそろワイバーンがでてもおかしくない所まで来てたんですね。エマお姉ちゃんは遠見の魔法を使って警戒ですか。
なら私も遠見の魔法を使いましょう。スコープも併用すればもっと早く見つけられますね。
「イリス、あなたも遠見の魔法使って警戒してね。」
「はい、お姉様。」
イリスにも遠見の魔法を覚えてもらってよかったです。きっと知ってはいるのですよ・・・使えないだけで・・・
ポンコツ賢者ですね・・・ちゃんと魔法を使えるようになりましょうね・・・
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カクヨムのコンテスト用に書き下ろした作品です。
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カクヨム
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