File049.ボルトアクション
ワイバーンの出る場所までは、馬車で約3週間だそうです。帰りは村や町によって帰ればいいので私が持っている食材は行きと、向こうの滞在分だけですね。
ワイバーン討伐に約1ヶ月見ているわけですか・・・それで結果が出なければ、いったん近くの町まで戻るわけですね・・・
「マーキスお兄ちゃん、しばらく馬車の中で作業がしたいんですけどいいですか?」
「なんだ、また米か?」
「そうじゃないんですけど・・・ちょっと・・・」
「別に構わないぞ。」
「ありがとうございます。」
ワイバーン戦に向けて新しい武器でも作りましょう・・・遠距離は必要ないと思ってましたが、どうやら必要になってきたようです・・・ワイバーンがどの程度の高さまで上がることが出来るかはよく知りませんがライフルがあれば多分大丈夫でしょう。
「キティお姉ちゃん、ワイバーンってどの位上から攻撃してくるんですか?」
「そうね・・・100メートルくらいかしら?」
「それだと弓じゃ届かないですね・・・」
「そうね、魔法でもギリギリかしら・・・」
「どうやって倒すんですか?」
「魔法で撃ち落とすしかないんだけど・・・あとは襲ってきたところを上手く弓を射かけるくらい?」
大変そうですね・・・やっぱりライフルは必要そうですね・・・
「でも、うちはロッドが強弓を用意してるからなんとか当てることができるんじゃないかしら?」
「強弓ですか?」
「ええ、100メートルくらいの射程なの。」
「上に向けて撃ってもですか?」
「・・・・・・・・・・」
これは上に向けて撃つことを計算していなかった顔ですね・・・
「大丈夫ですか?」
「ロッドが気力で頑張ってくれるわ・・・きっと・・・」
ロッドお兄ちゃんも大変そうですね・・・
今回私が作るのは有効射程500メートルくらいのライフルです。形状はドイツの有名ライフルみたいな感じにしましょう。第二次世界大戦で使われてたアレです。たまの大きさは大体8ミリくらいでしたっけ・・・7.92でしたっけ?よく覚えてません・・・私の持っていたやつは6ミリでしたから・・・
なぜそこまで詳しいかって?ほんの少しだけ嗜んでいたからです・・・押し入れにライフルが並んでるとかはありませんでしたから安心して下さい。もちろん、冷蔵庫にパイナップルも入れてないです・・・
さて、頑張ってクリエイトしましょう・・・前回が3日ほどかかってますね、今回は少し複雑になりますから5日くらいは覚悟しておかないといけませんね・・・その後に弾丸ですか・・・結構かかりそうです・・・
前回は1発ずつ弾を込めましたが今回はボルトアクションです・・・装填数は5発ですね・・・今日から頑張りましょう・・・
「アリスちゃん、さっきから何してるの?」
「キティお姉ちゃん、ワイバーン用の武器を作っているところです。」
「武器を作るって・・・まさかあのくずスキルで?」
やっぱりここでもくずスキルって扱いなのですね・・・私にしてみれば最高のスキルなんですけどね・・・
「一般に言われているそのくずスキルで正解ですよ・・・」
「あのスキルで、何か作れるんだ・・・」
「時間は結構かかりますけどね・・・」
「結構かかるって、向こうに着くまでに出来上がるの?」
「多分1週間くらいあれば・・・」
やってみないと分かりませんが、その位あれば何とかなりそうな気がします・・・
「前使ってたのと同じような武器なの?」
「まぁ、そんな感じです。」
「そうなんだ・・・楽しみにしてるね。」
楽しみにしてるって・・・キティお姉ちゃんは使わないでしょう・・・
旅の最中は時々食材となる獲物を狩りに行ったりしながらの移動となります。食材を持ってきたと言っても腐りやすいようなものはあまり持ってきていないので、お肉なんかは現地調達なんですよ。
狩りはロッドお兄ちゃんの仕事のようです。獲物を見つけるのが上手いのですよ・・・いつもちゃんと獲物を仕留めてくるんです。まるでそこに用意していたみたいにです・・・すごくないですか・・・
ロッドお兄ちゃんといれば食いっぱぐれませんね・・・
「ねぇ、アリスちゃんはロッドみたいなのがいいの?」
「えっ?」
「さっきからずっとロッドのことを見てるから、ロッドのことが好きなのかなって・・・」
「えっ・・・ないですよ・・・うん、絶対にないです。」
「そう、安心したわ。」
キティお姉ちゃん、安心したって・・・キティお姉ちゃんのお嫁さんとかそれこそ絶対にありえませんからね・・・
今日は魔力が底をつきましたから続きは明日ですね・・・ボルト部分が少し出来ただけですよ・・・先は長そうです・・・
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カクヨムのコンテスト用に書き下ろした作品です。
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カクヨム
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