File037.買い出し
「なぁ、エマ。そろそろ離してやったらどうだ?」
マーキスお兄ちゃんが帰ってきて一言声をかけてくれたおかげで解放されました。多分帰ってきても何も言われなければずっとしていたのでしょうね・・・
「ザナックの所の護衛依頼だが、5日後の朝に出発になるそうだ。」
5日後ですか、結構ギリギリで帰ってきた感じでしょうか・・・それともそう言った予定で帰ってきたのでしょうか?あまり慌てていなかったところをみると、予定を立てての行動だったのでしょうね・・・
「それなら明日は買い物ね。食材は前日に買い込むとして、その他の物を色々補充しましょう。」
買い出しはキティお姉ちゃんに任されているのでしょうか?キティお姉ちゃんが色々取り仕切っているようですね・・・パーティのお財布といった感じでしょうか・・・
「前から思っていたのだけど、アリスちゃん達ってDランクの冒険者にしてはしっかりした装備を使ってるわね。」
「普通はそうじゃないんですか?」
「そうね、お金が足りないのよ・・・」
これくらいの装備を整えるまでには1年位頑張らないとなかなか買いそろえるのが難しいそうです。冒険者になってまだ2ヶ月程度の私達が持っている装備では無いと言うことですか・・・お父様に感謝ですね。
「冒険者になると言ったらお父様が、最初の装備位買ってやると言って・・・過保護ですか?」
「アリスちゃん達のご両親も、冒険者なのかしら?」
「はい、そうですよ。」
「それなら、装備の大切さを知っているだろうからその装備を持っていても当然ね。」
そうなのですね、冒険者をやっていればどの程度の実力でどの程度の装備を持つべきかが解るのですね・・・初心者の私達には無理な話ですが・・・その内そう言ったことも分かるようになるのでしょう。
「アリスちゃん達の装備は買い換えの必要がないみたいね。」
私達の装備の買い換えまで考えていてくれたのですか?パーティに入ったばかりですよ?甘やかしすぎでは?
その後は、市場から道具屋まで色々回りましたよ。いつもはマーキスお兄ちゃんとロッドお兄ちゃんが荷物持ちとしてついてくるのだそうですが、今回は私がいるので女の子4人での買い物です。
市場では前日に買いに来るからといって、色々注文をしていますね。前日に来てなかったでは洒落にならないですからね、しっかりしてますね・・・私達も見習いましょう。って、イリスもそう言ったところもしっかり見ましょうね。屋台にばっかり目がいってるとエマお姉ちゃんに見つかりますよ。
「あら、イリスちゃんは屋台の方が気になるのかしら?」
ほら見つかりました・・・イリスはエマお姉ちゃんに屋台の方へ連行されていきますね・・・私の方を見て助けを求めても知りませんよ、自業自得です・・・
「イリスちゃんのことはお姉ちゃんに任せて私達は買い物を続けようか?」
二手に分かれるようです・・・仕方ないことですね・・・
「今回はアイテムバッグの容量が圧迫されないから本当に助かるわ。」
「どの位入るのですか?」
確かにアイテムバッグには容量があって、物によって入る量が異なると聞いたことがあります。
「そうね・・・中が空っぽなら、このあいだ狩ったトロルが3~4匹入る位かしら?」
「それでも結構な大きさですよね?」
「ええ、でもアリスちゃんのアイテムボックスに比べたら微々たる物よ。」
オークも6匹入ってましたからね・・・今回の討伐でもトロルを4匹預かりましたから・・・
「私のアイテムボックスはそこそこ入るみたいですから・・・」
「トロルを4匹入れてまだ余裕があるのでしょ?かなりの大きさでしょ。」
「私達のアイテムバッグもそこそこの大きさなんだからね。かなり無理して買ったんだから・・・」
トロル4匹入るのは大きい分類なんですね・・・知りませんでしたよ・・・確かにトロル4匹だと大きな物置位ですね・・・それを考えると結構大きいのですね・・・
今回は私のアイテムボックスがあるので、保存食が少なめです。その分野菜やお肉が増えるのですがアイテムボックスに入れてしまうのでそれも大きいのだそうです。
「人数も増えたし、色々買い込んだわね。」
「そうですね、色々買い込みましたね・・・なんか余分な物を買っていたような気もしますがつっこむのはやめにします・・・」
なぜ、護衛依頼の準備で私とイリスの私服を買っているのかが分かりません・・・それも、キティお姉ちゃんの趣味で買っているのですよ・・・もちろん支払いはキティお姉ちゃんです。
私のアイテムボックスに入れるのかと思ったらそれだけはしっかり抱きかかえてるのですよ・・・宿に戻ったら私とイリスは着せ替え人形にさせられるのでしょうね・・・
イリス・・・ごめんなさいね・・・お姉ちゃんはキティお姉ちゃんを止められませんでした・・・恨まないで下さいね・・・
追記・・・イリスはエマお姉ちゃんと美味しいお店巡りをしたそうです。ある意味幸せだったと思いますよ。エマお姉ちゃんの「あ~ん」がなければですが・・・
それをしないと食べさせて貰えなかったそうです・・・しかも人前でも容赦なくだったそうで、完全な羞恥プレイだったそうです・・・
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カクヨムのコンテスト用に書き下ろした作品です。
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カクヨム
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