File036.アイテムバッグ

 森から帰るときにやっぱりショットガンのことについて聞かれました。まぁ、聞かれますよね・・・

 「ところで、アリスちゃんの使ってた武器、あれは何なの?小っちゃな大砲みたいなやつ。」

 「えっと・・・あれはですね・・・ショットガンと言って私だけの武器ですね・・・」

 「どこで手に入れたとか聞いてもいいかな?」

 「う~ん・・・さすがにエマお姉ちゃんでも秘密かなぁ・・・」

 「そうね・・・冒険者同士でも詮索はよくないものね・・・教えてくれる気になったら教えてね。」

 詮索されないのはありがたいですね。冒険者にとって情報は大切だから無理やり詮索はしないと言うことになっているそうです。ありがたいです。

 万が一ショットガンが盗まれても、ショットシェルがなければ単なる鉄の筒ですからね・・・


 「確かにあんな物を持っていたら前衛から後衛まで、自由に動けるなぁ・・・」

 ロッドお兄ちゃんの言うとおりアレがあるおかげで私は結構自由に動けるのは確かですね・・・

 「でも、何発も連続しては撃てませんけどね。」

 「そりゃそうだ、あんなのが連続で撃てたらちょっと怖いな・・・」

 いえ、撃てるようにしたいのですけどね・・・


 「アリスちゃんはあんなのをまだ色々と持っていたりするの?」

 「キティお姉ちゃんでもそれは教えられないですよ・・・」

 「そうよね・・・ごめんね、変なこと聞いちゃって。」

 まだ色々作るつもりなんで教えちゃうとまずいだけです。



 「アリスちゃんがいると食材が長持ちして助かるわ。」

 キティさん、そこって重要ですか・・・

 「やっぱり便利ですか?アイテムボックスって。」

 「そうだな、商人なら誰でも欲しがるだろうし、冒険者でもあると無しでは収入が変わるからな。」

 なるほど、どちらも売り物を多く持って行けるという点では便利なのでしょうね。

 「まぁ、うちはアイテムバッグを持っているからそこまで重要ではないんだがな。」

 マーキスお兄ちゃん達はアイテムバッグを持っているんですね。でもアイテムバッグは物が入るだけでしたね・・・時間経過は普通だったはずです。

 「アリスちゃんのは予備って感じかな。食料なんかは優先して持って欲しいけど、分散して持っていると何かあったときに助かるかな。」

 なるほど、予備ですか・・・アイテムボックス目当てではないですってアピールのようにも聞こえますが、そう言ってもらえると嬉しいですね。

 「なら、食料は優先的に持ちますね。」

 時間経過の恩恵で食事が美味しくなると言うことですか。腐りにくいですからね。



 今回は私達の実力を確かめることと、パーティの連携を覚えることで何日か費やしました。森から戻ってくると、あと数日で護衛依頼の日ですよ。結構長い間森にいましたね。

 隊列を組んでの移動に討伐、私が単独で斥候に出たりと色々な場面をふまえての訓練だった気がします。

 でも私達まだDランクですよ?実力だけみれば十分Cランクなのですか。だから依頼を数こなしてCランクに上がるようにですか。頑張らせてもらいます。



 町に戻るとマーキスお兄ちゃんは、ザナックさんとの打ち合わせだそうです。私達は宿屋で待機です。とは言っても私とイリスはエマお姉ちゃんとキティお姉ちゃんのおもちゃにされている状態ですが・・・

 「アリスちゃんも、イリスちゃんも悪いな・・・エマと、キティがこんなんで・・・」

 ロッドお兄ちゃんが謝ってくれますが、謝る位なら私達を解放して下さい・・・さっきから私はエマお姉ちゃんにイリスはキティお姉ちゃんに抱っこされて離して貰えないのですよ・・・

 別に不快だとかそう言うわけではないのですが、ずっとというのが・・・そろそろ1時間は経つ気がするのです・・・イリスも困り顔で私に助けを求めてくるのですが、私も同じ状況ですよ。何を助けろというのですか・・・


 結局、マーキスお兄ちゃんが打ち合わせから帰ってくるまで色々甘やかされました・・・

 

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