File018.テントの設営
えっ・・・この村には宿屋がないのですか・・・小さな村なので仕方がないのですね・・・
「イリス、村の外れにテントを張るわよ。」
「早速テントの出番ですね。」
「イリス、そっちを持って。引っぱるからね。」
「はい、引っぱってください。」
練習はしていた物の慣れるまでは大変ですね・・・またしまうのも大変なのでしょうね・・・
「これからもこれが続くと思うとちょっと大変ね。」
「このテントも開いたままお姉様のアイテムボックスに入ればいいのに・・・」
「そうですね・・・イリス、良い事考えますね。やってみましょうか。」
「できるの?こんなに大きいのに?」
私も入るかどうかなんてやってみないと分かりませんよ。でも、オークだってはいるのですから、テントくらい・・・
入りましたね・・・
「お姉様・・・すごいですね・・・」
「ええ、すごいわね・・・」
「これなら毎回でもテントが使えますね。」
「そうね・・・アイテムボックスから出すだけだものね。」
まさかとは思いましたがちゃんと入れられるのですね・・・これからは楽になりそうです。
「イリス、もう少しきっちり組み立てるわよ。」
「え、なんでですか?」
「毎回組み立てる必要がないのなら、しっかり組み立てておけばあとが楽でしょ?」
「そっか・・・お姉様、そこ少し緩んでるみたいです。」
「うん、そっち押さえてて。しっかり張り直すから。」
2人でロープを結び直したり、タープを張り直したりしてしっかりとくみ上げました。時間がかかりましたが、これで次からが楽できると思えば頑張れますから。
「お姉様、この子はどうしますか?」
「そうね、そこの木に縛っておきましょう。あと、餌を出しておきますので食べさせてあげてください。」
「うん、お姉様は食事の用意をお願いしていい?」
「わかったわ。簡単な物だけど用意しておくわ。」
馬の餌やりもしないといけませんからね。せっかくお父様から貰った馬ですから大切にしてあげないといけませんからね。
「お姉様・・・味が薄いです・・・」
「そんなに沢山調味料はないのですから我慢して。」
「次の町でしっかりと調味料を揃えましょう・・・」
「そうね、でも調味料は高いから・・・まずはオークを売ってお金を作りましょう。」
「オークってあと何体残ってるんだっけ?」
「まだ4体残ってますよ。」
「腐る前に全部売っちゃう?」
そうですね・・・いくらアイテムボックスの中が腐りにくいと言ってもなるべく早めに売った方がいいでしょうね・・・
「そうね、4体とも売っちゃおうか?」
「それで、調味料を買いましょう。」
「先に依頼を受けてからね。実入りがないのに使うばっかじゃダメだからね。」
「そ、そうね・・・いい依頼があると良いね。」
イリスはちょっと経済観念が低いのでしょうか・・・それとも浪費癖でしょうか・・・使う事ばかりじゃダメですよ・・・
いくら村の中とは言っても、テントで一夜をあかすのですから見張りは必要です。村の中で練習をする事ができると思えば、悪い事ばかりじゃありません。
「それじゃあ、2交代にしましょう。イリスが先でいい?」
「別にいいですけど、お姉様眠たいの?」
「私はどちらでもいいのだけど、朝方見張りをするなら朝ご飯も作るのよ?」
「お姉様、私先に見張りをしたいな・・・」
「はっきりと朝ご飯の用意が面倒だと言ったら?」
「うん・・・ごめんなさい・・・朝ご飯の用意をお願いします。」
「わかってるわよ。だから私が後にするって言ったでしょ。」
「うん。お姉様・・・ありがと・・・」
イリスに見張りを任せてテントで横になりましょう。時間になったら起こしてくれるでしょう。
「お姉様、お姉様・・・交代の時間です。」
「う、ううん・・・もう時間?」
「はい、そろそろです。」
「それじゃあ交代ね。イリスもちゃんと寝てください。」
「お姉様の膝枕だとよく眠れるのだけど・・・」
「イリス・・・」
「お、おやすみなさい・・・」
ふぅ・・・大人しく寝てくれたようです。朝まで暇ですね・・・
そういえばクリエイトというスキルを取ったんでしたね・・・かなり色々な物が作れると思うのですが、まだ何も作ってませんね・・・
魔法剣や聖剣なんて作れたらいいでしょうね・・・それよりも現実的なのは銃でしょうね・・・ショットガンがいいでしょうね・・・構造は単純ですし何より色々な弾が使えます。ライフリングもないのであまり考えないで作れそうです。
いろいろ考えていたら、辺りが明るくなってきましたね・・・朝食は昨日の薄いスープとパンですね。パンはまだ柔らかいのがありますからそちらを食べましょう。硬いのは柔らかいのがなくなったあとです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます