File015.ないしょ話
「お姉様、ちょっといいですか・・・」
寝ようとしてた所をイリスに声をかけられました。
「なに?」
「一緒に寝てもいいですか・・・」
「いいわよ・・・」
久しぶりですね・・・イリスと一緒のベッドで寝るなんて・・・
「お姉様、わたしに何を隠してるんですか・・・」
「イリスが隠してる事と同じ事かな・・・」
「えっ?」
驚いていますね・・・イリスも転生者なんですよね・・・
「イリスが話してくれたら私も話してあげる。」
「・・・・・・・・・・」
「おやすみ、イリス。」
「お姉様、まだ起きてますか?」
「もう寝てるわよ。」
「起きてるじゃないですか・・・」
「それで、なに?」
「私、前世を覚えてるんです・・・生まれる前の事を覚えてるんです・・・変でしょ?」
「私もよ。イリスと同じ事隠してるって言ったわよね。」
「どうして、私が隠してる事を知ってたんですか?」
「お姉ちゃんだから?」
「そんなの理由になりません・・・」
「また今度教えてあげる。」
「それじゃあ、イリスを置いて行くのはやめて・・・」
「えっ・・・」
「おやすみなさい・・・」
こっそり1人で出ていこうかと思ってましたが、出ていけれなくなりましたね・・・しっかりとイリスに抱きつかれちゃってますよ・・・
なんとなく感づいたのでしょうか・・・双子ですものね・・・考える事くらいわかりますか・・・
「お姉様。おはようございます。」
「おはよう、イリス。」
「お出かけは止めですか?」
「1人で行くなって言ったのはイリスでしょ。」
「はい、イリスはずっとお姉様と一緒です。」
わかりましたけど・・・この子は本当に私のお嫁さんになるつもりなのでしょうか・・・
「お姉様、お姉様の事をもっと聞かせて欲しいの。もちろん私の事も話すから・・・」
「そうね・・・」
私が異世界からの転生者である事と色んな事を知っている事などかいつまんで話してあげました。
まだ、全部は話してませんよ・・・話せないようなスキルもありますし・・・スキルの取り方だって異常だと思いますから・・・
「異世界って・・・」
「信じられない?」
「うん・・・でも、嘘はついてないって思う・・・」
「次は私だね・・・」
イリスは元賢者で、さらなる知識を求めて転生の秘術を使ったと言う事らしいです。らしい・・・と言うのは、どうやら半分失敗に終わっているようだからです・・・知識や魔法は全て覚えているらしいけど、まだ使えないものが多いそうです・・・ポンコツ仕様という事でしょうか・・・
だんだん魔法も思い出しては来ているようですが、まだまだ使えないものが多いようです・・・
性格や考え方なんかはかなりイリスに引っぱられているみたいで、元々の人格のようなものはほとんど思い出せないようです。
「そうなんだ・・・イリスも大変だね・・・」
「うん・・・覚えてるのに、使えないの・・・靄がかかっているみたいで上手く思い出せないの・・・」
「そっか・・・お父様やお母様には?」
「話してない・・・お姉様が最初だよ・・・」
そうですか・・・私だけ旅に出るというのは逃げるみたいになってしまいますね・・・
「ねぇ、イリス・・・2人で旅に出ましょうか?」
「新婚旅行ですか?」
一発げんこつを入れておきましょう。容赦なしです・・・
「お姉様、痛いです・・・」
「イリスがバカな事言うからよ。」
「別にバカなことじゃ・・・」
「イリス・・・」
シュンとしちゃいましたね・・・まぁ、しばらくは放って置きましょう。
「家を離れて、2人で冒険者としてやっていくの。どうかしら?」
「お姉様と2人で・・・」
何か別の事を考えているように思えますがとりあえずスルーします。
「お父様とお母様に許可を貰わないといけないけど・・・」
「私はお姉様と一緒に行きたいです。」
「それじゃあ、2人で頼んでみようか。」
「はい、お姉様。」
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