File012.アイテムボックス
今後も素材を持ってくるたびにリヤカーに乗せ替えてくるのは面倒ですし、この際ですからギルドでアイテムボックスを使ってしまいましょう・・・
「お姉様、アイテムボックスのこと知られてしまってもいいの?」
「いいのよ、そうでないとこれからもずっと家からリヤカーを引くことになるのよ。」
「それは嫌ですね・・・」
「だから、もう見せてしまってもいいかなって・・・」
お父様とお母様の娘ですので、変なことには巻き込まれないだろうというのもあります。結構有名だって話ですから・・・
空いてるカウンターにイリスと2人で並びましょう。それほど待たないうちに順番もきそうです・・・
「ゴブリン討伐の完了報告なんですが、こちらでいいですか?」
「ええ、こちらで大丈夫よ。」
優しそうなお姉さんでよかったです、あっいかついお兄さんが嫌なわけではありませんよ・・・出来ればお姉さんがいいだけです。
ゴブリンの耳を提出します。確認してもらった上で、1匹逃してしまったことも報告しておきましょう。
「素材の買取はあっちのカウンターですか?」
「ここでも構わないわよ。ゴブリンの魔石かな?」
それもありますが、オークをまるまる2匹分ですね・・・ここで出してもいいのでしょうか・・・
「お姉様、ここで出してもいいの?迷惑じゃないのかな?」
「結構大きいと思いますけど・・・ここでいいんですか?」
「大きいって?なんの素材かしら?」
「オークを2匹です・・・」
「オークを2匹ですか・・・」
キョロキョロしてますね・・・まぁ、普通の反応ですね・・・先日はリヤカーで持ってきましたし・・・
「アイテムボックスがありますから・・・ここでいいですか?」
「えっ、ちょ、ちょっと待ってもらえるかな・・・あっちに解体場があるからそっちで出してもらえるかしら・・・」
でしょうね・・・周りの人もざわつき始めましたね・・・アイテムボックス持ちは貴重ですから。それだけで身入りがかなり変わります。一家に一台ではありませんが、パーティに1人欲しいと思っているところは多いでしょう。
「ここに出せばいいですか?」
「おう、アイテムボックス持ちかぁ。羨ましい限りだ。」
目の前に真っ二つになったオークと串刺しのオークが鎮座しています。
「また、お肉を少しもらいたいのですがいいですか?」
「この間の部位がいいです。すごく美味しかったから・・・」
イリス・・・まぁ、いいですけど・・・美味しかったのは本当ですから・・・
「わかった、またあそこのブロックを切り出してやる。」
「「ありがとうございます。」」
「それと、オークだから肉にしかならんが、これからは倒し方も覚えておいた方がいいぞ。」
どうやら、素材を痛めないように倒さないと、買取価格が下がるのだそうです。ゲームではそんなことはありませんでしたからね・・・
資料室に魔物ごとの買取部位などが書いた資料があるそうです。1度目を通しておく必要がありますね。買取価格は高い方がいいです。
解体をお願いしている間に、資料室で買取部位について勉強をしておきましょう。もちろんイリスも一緒です。
さらっと目を通しているだけってことはもう解っている、知っているってことでしょうか?
「イリス、ちゃんと覚えた?」
「はい、全部知ってるから大丈夫です。」
覚えたではなく、知ってると言いましたね。やっぱり元賢者だけあるということでしょうか・・・その割にポンコツ感が否めませんが・・・
買取の査定が終わったようです。金貨2枚になるそうで、買取価格が少し下がったのはイリスの串刺しオークの値段が低かったのだそうです・・・串刺しはあまりよろしくないようですね・・・
「お姉さま・・・ごめんなさい・・・私・・・」
「次はもっと頑張りましょ。私も頑張るから。」
まだ、駆け出し冒険者なのですから仕方ありません。今はこれで十分だと思うのです。
「アリスさん、イリスさん。オークがいるような深いところまで入ってるんですか?」
受付のお姉さんですね・・・
「私たちそんなに深いところまでは行ってませんよ。お姉さまと約束もしましたし・・・」
「そうですね、ゴブリンなんかもよく出る、浅いところで遭遇しましたよ。」
「・・・・・・・・・・」
何か考えてますね、やはり浅いところでオークが出るのはよくないのでしょうか・・・よくないのでしょうね・・・
「2人はオークを倒せるようですが、気をつけてくださいね。一応、調査はさせますが、結果が出るまでは奥には絶対入らないようにしてください。」
「「わかりました。」」
やっぱり返事はハモリますね・・・双子ですからよくあることですね・・・
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