第2話 朝練

ふぅ、やっぱりあのケーキ美味いな。」


「うん、毎日あれでもいい。」


「いや、毎日は吐くわ。」


そんなくだらないことを話しながら俺たちは歩いて

いた。


「明日からまた任務に行かないといけないから

今日はもう寮に戻るか。」


「わかった。でも、もう少し歩こ。さっき食べた

ケーキがいっぱい。」


「いいぞ。俺もまだシャルと話したいしな。」


そうやって、俺たちは帰路に着いた。











「シャル、おはよう。」


「うん、おはよ。」


「じゃあ、朝練はじめるか。」


「うん。昨日休んじゃったし多めにやろ。」


「わかった。」




俺の名前はレーヴァテイン・ベルマールで、今一緒

に朝練してる少女の名前がシャーロット・フラベル

だ。


剣聖と剣姫なんて呼ばれているけど、この理由に

ついてはまた後で。


性があるから分かると思うけど、俺たちはどっ

ちも貴族で、しかも公爵家だ。


そして、俺たちが住んでいる国はルナティア王国と

言って、大陸でも1、2を争う大国だ。


隣国にはへカスタ帝国や、ヤヌークトラ聖国、

、エマン共和国、そしてストラース皇国がある。


今、聖国と共和国、皇国とはいい関係を結べている

のだけれど、帝国とは領土や貿易の問題であまり

関係が良くない。



俺たちは今学校に入る前の春休みだが、もう入る学校は決まっており、ルナティア総合学園と言って、王子やお姫様も通う風格のある学園だ。



俺たちの家は特殊で、剣聖と剣姫の家である。

剣聖と剣姫というのは世襲制で、代々受け継がれて

きた。


そして、今の代は俺とシャルだ。

剣聖と剣姫は代々、次男と長女がなる。

なぜ次男かと言うと剣聖の家と言えども、やはり

政治も大切なので長男は政治をするからだ。


もちろん俺とシャルには兄弟がいる。

さらに何故か剣聖と剣姫にふさわしい才能っていう

のは、決まって次男と長女に顕れる。

この仕組みは俺もよく分かってない。


剣聖と剣姫はどちらも剣の名家ということもあり、

両家の関係はとても悪い。

どちらが上とかどうでもいいのに...。


剣聖と剣姫になる子供には英才教育を施し、

そして昔から俺とシャルは比べられてきた。

最初の頃はあまりシャルと仲良くなかったけど、

徐々に仲良くなってきて、今では親友だ。



「大丈夫?あんまり集中できてないけど。素振りが

乱れてる。今日はもう模擬戦やめる?」


「あ、いやする。心配させてごめん。」


「まぁ、いいけど。どっちにしろ勝つのは私だけ

どね。」


「あぁ?剣聖の名前舐めんな。」


「名前だけでしょ?」


「絶対に勝つ...!」


そして俺たちは朝練だけで汗だくになった。






結果は俺の負けだった。クソ...!

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