神様の買い物ライフ

「アテナさ~もうちょっとだけさ~頑張ろうよ?」

「私ってそんなにセンスありません?」

「センスというかチョイスがなんというか」

「わかります。もうちょっと年相応のものを選んだほうがいいと私もいつも思います」

「そう?いいじゃん可愛くて」

「「可愛いとかの問題じゃないの!」」

 というわけで、私、アテナは先輩方たちとお買い物に来ています。

 ですが、さっそく怒られてしまいました。なぜでしょうか?

「いいアテナ。あなたはもう高校生なの。あなたは一人でおしゃれをしなきゃいけないの」

「はい!おしゃれ頑張ります!」

「で、あなたが入ろうとしたお店はどんなお店?」

「えっと、女児向け?のお店です!」

「あなた今何歳?」

「15歳です!」

「15歳は女児じゃないわ」

「でも、サイズ的に......」

「そんなわけあるか!」

「ひぃ!」

 またイリスさんに怒られてしまいました。そんなに女児用の服を着てはいけないのでしょうか?

「ほら来なさい。私と綾華が選んであげるから」

「私は~?」

「......あとアルテミスも」

「わざとだよね!忘れてたフリだよね!」

 そんなこんなで洋服を選んでもらうことになりました。私は一体どうなってしまうのでしょうか。不安がいっぱいです。


「いや~こんなに大変だとは思わなかったわよ」

「ですね~」

「そう?楽しかったじゃん!」

「アンタは何もしてないでしょ!」

「アルテミスさんは何もしてないじゃん!」

 あーアルテミスさんが泣いてしまいました。

 今は、フードコートでお昼を食べています。

「当分の間は一緒に買い物行ってあげないといけないわね」

「そうしないとおばあちゃんみたいなセンスが発揮されてしまいますからね」

「すみません......」

 そんなにおばあちゃんみたいだったでしょうか?私はいつも通り選んでいたので少しショックです。

「アンタ、スカートの事なんていってた?」

「ひらひらです!」

「ゲームの事は?」

「ピコピコ?」

「じゃあ女性ものの下着の事は?」

「さらし!」

「「「......」」」

 なんか思いっきり引かれてしまいました。そんなにおかしいでしょうか?店員さんにいつもひらひらって聞いて伝わっていたのでそういう名前だと思っていました。

 仲間だと思っていたアルテミスさんもなんだか表情が暗いです。

「まずはこっちの世界の娯楽でも教えた方がいいんじゃないですか?」

 真剣な表情で綾華先輩が提案します。

「そうね。この子、携帯の使い方も怪しいけど家帰ってけん玉とかお手玉とか古い遊びばっかりだし」

「せっかくこっちで住むからにはいろんな遊びした方がいいよね!なんで、日本の遊び?」

「多分、私が小さい頃に教えたからです」

「いろんな技ができるようになりました!あと、あやとりも上達しました!」

 最近、はしごができるようになりました。今度、勇凛先輩に見せましょう!そうしましょう!

「アテナはこっちに来てやってみたい事とか欲しいものはある?」

「欲しいものですか?」

 うーんなんでしょう。そもそも、ものを知らないので何が欲しいとかよく分かんないです。

 スマートフォン?というものも使いこなせない私が果たして他の道具を使いこなせるのでしょうか?

「イリスさんと勇凛先輩がよくやってるテレビゲーム?って言うのはやってみたいです!」

「なるほどテレビゲームね。なら、今からうち来てやる?」

「いいんですか!」

「別にいいわよ。それに、遊び来た時言ってくれればやらせてあげたのに」

「なかなか言い出せなくて」

「二人ともゲームしてる時だけは真剣だもんね~」

「ですね。いつも言い争いながら遊んでるし?」

「そうだっけ?」

 本人には自覚がないようです。でも、楽しそうだな~と思いながらいつも見ています。

「それじゃ、食べちゃったら我が家に行きますか」

「行きましょう!」

「勇くんに連絡しとかなきゃだね」

「そうですね。突然だと申し訳ないですし」

「しなくていいよ。突然帰ってきて驚かそうよ!」

「それもありね。じゃあ連絡しないで行きましょうか」

 突発的に勇凛先輩のおうちにお邪魔することにしました。皆さんとゲームできるのが楽しみです!

「そういえばアテナ。それ美味しい?辛くない?」

「辛くないですよ?一口食べてみますか?」

「いいわ。一口でも食べたらトイレとお友達になりそう」

 険しい顔をするイリスさん。本当に辛くないです。看板には激辛グランプリ四冠王って書いてありました。あの意味は一体何でしょうか?こっちの世界はまだまだ知らない事ばかりです。それでも先輩方が毎回助けてくれるので感謝しかないです。

 楽しい時間がこれからも続いて欲しいなと思いました。

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