おっぱいorスク水祭り?
「なあ。神様が思う夏と言えばってものは何?」
「夏と言えばか~」
「うーん夏ね~」
あれから3か月ほどたち誰かと一緒にご飯を食べることが当たり前となった。
本人たちには言えないが実はこの時間が楽しいと最近思うようになってきた。まあ、心読まれるからいつかバレそうだが。
「やっぱりおっぱいよ!」
「夏って何かあったっけ?」
「うん。まずは下ネタ戦車。お前の意見を聞こう」
ここにまともな奴は居ないのか?特に後者。お前は悲しい事言うな。
「夏と言えば海じゃん?」
「まあそうだな」
「海に行けばみんな水着じゃん?」
「そうだな」
「だからおっぱい!」
「意味わかんねえよ!」
「おっぱいの季節なの!わかった!」
「わかりたくないわ!」
ほーら絶対朱奈と仲いいじゃん。発想が小学生以下だって。コ〇コ〇コミックでもこんな発想の奴は居ないだろ。
「今年の夏は、スーパー美少女のイリスちゃんが一皮むきますから楽しみにしてなさい」
「せめて、人肌脱いでくれ......」
イリスとの会話は終始向こうが主導権を握っている。偶にはツッコミ役に回ってもいいんだぞ?
うわすっごい嫌そうな顔された!どうやらツッコミキャラは好きじゃないようです。
「あっちも問題だがお前の方中々だぞアルテミス」
「いやー天界に季節感ってあんまりないからさ~」
「いや、あるわよ。クリスマスとお正月はすごいことになってるじゃない?」
「......」
「黙んないでよアルテミスさん!」
コイツ、行事ごとに参加したことないのか?誰にも誘われていなかったとしたら可哀そうな奴過ぎでしょ。
「イヤシッテタヨーメッチャシッテルヨー」
「日本で夏に行われるイベント、何個か言ってみろ」
「えーとクリスマスでしょ。あとスク水祭り?」
「クリスマスが夏なのは南半球であって日本のクリスマスは冬だ!てか、なんだよスク水祭って!さすがのCoolJapanでもそんなイベントやんないよ!」
「だってイリスが言ってたもん......」
「吹き込んだ犯人お前か!」
「いやーまさか本当に信じるとは。はっはっは!」
「笑い事じゃないから!」
偶にコイツ、アルテミスに嘘の情報仕込むんだよな。乾燥ワカメをそのまま食べると胃の中で増えていって口から出てくるとか。ワサビはいっぱい口の中に入れると辛くないとか。
アルテミスも単純で好奇心旺盛?のせいでそれを鵜吞みにして実践するんだよな。帰ったきたらなんかイリスの事を叩いてるのを偶に見かける。仲がいいからできるんだろうな~と思いながらいつも遠くから見守っている。
「全く。どんな頭してたらスク水祭りとか考えるんだよ......」
「偶々近くの小学校の横を通ったら水泳の授業してるの見かけてさ。そこで思いついた!」
「何もしてないだろうな?」
「してないしてない!さすがに常識はあるよ!」
「人の水泳の授業中にお前の下着と俺の下着。入れ替えた奴はどこの誰だっけ?」
「その説はどうも///」
「照れるな!猛烈に反省しろ!」
あの時はすごい焦ったよ。クラスの連中はすごい興味津々だったな。男の誓いで口出してないはず......
「アルテミスも流石にスク水祭りは嘘ってわかるだろ」
「だって、なんかありそうじゃん?スク水祭りって」
「全然ないよそんな祭り!」
「ほら秋葉系の方とか......」
「そこまで頭のヤバい奴は居ない!」
どんなイメージ持ってるんだよオタク文化に対して。
「もうちょっとイリスの言ってること疑おうぜ?明らかに嘘っぽいのだってあるわけだし」
「......気を付けます」
「イリスもあんまりアルテミスに嘘ばっかり吹き込むなよ?」
「......おっぱい」
「OK反省してないことがよくわかった」
「いて!」
反省の色がないためげんこつ一発喰らわせる。あー神よその慈悲深い心で私を許してください。アーメン。
「神を殴るとはいい度胸じゃないか」
「ほら早く飯食え。片付けてやらんぞ」
「だってさアルテミス。さっさと食べて勇ちゃんにお皿を洗わせましょ?」
「もう私食べちゃったよ?」
「ちなみに彼女、ご飯二杯おかわりしてます」
「食べるの早!てか食べ過ぎじゃない?」
「そんなことない......はず!」
よく食べよく遊びよく寝る。神様じゃなくて小学生じゃん。
「ちゃんと働いてます~。今日だって勇くんが先輩ちゃんに対して鼻の下伸ばしてたの見てました~」
「伸ばしてないけど!」
ちゃんと仕事してました。ウタガッテスミマセンデシタカミサマ。
「そういえばその天界とやらに夏休みの間に帰ったりするのか?」
いつも疑問に思っていたことだ。連絡手段はあるだろうが偶には天界に戻りたいとならないのだろうか。
ある程度の付き合いとかはあるだろうし、イリスはアルテミスがちゃんと仕事できるのか不安だから付けたわけだし。アルテミスの親であるゼウスはアルテミスの顔を見たいとは思わないのだろうか?
「一応、一回帰る予定でいるわよ。アルテミス連れて」
「えー!私も帰るの!」
「当り前よ。アンタの顔を見たがってるわけなんだから」
「私は帰りたくないんだけど......」
「何言っても無駄よ。無理やりにでも連れてくから」
「やだやだやだやだ!」
「「赤ちゃんかお前は!」」
2人で突っ込んでしまった。どんだけ家に帰りたくないんだよ。
「でも、わ私には勇くんをストーカーする仕事があるし!」
やっぱりその言葉はいつまで聞いてもなれなさそうだ。パワーワードすぎないか?
「じゃあ勇ちゃんを天界に連れて行けばいいじゃん」
「俺!俺も天界行くの!」
何、俺は死ななきゃならないって事?アルテミスを天界に行かせるために?
「いや、死ぬ必要ないから。そこは安心して?」
「安心できる要素があんまりないんだが?」
「勇くん天界に来ちゃだめだからね!危険がいっぱいだから!」
「実際はどうなんだ?天界って危ないのか?」
「別に危なくなんかないわよ。酒臭かったりうるさかったりするかもだけど」
「うわーすごい聞きたくなかった真実だわ」
天界は一日中居酒屋状態なのか。そもそも、一日の概念があるのかすらわからないが。
「勇ちゃんが来ればアルテミスは仕事の為に天界に行かないといけなくなるもんね~」
「ううっ......」
泣くなアルテミス。お前は悪魔かイリス。この部屋には神様なんて最初から居ないかもな。
「というか俺が天界に行っても問題はないのか?」
「そうだそうだ!」
モブの声は無視しよう。普通に考えてそういうのって簡単にはいけないでしょ。ましてや、天界なんて神様がいっぱいいそうな所になんて。
正直、行ってみたい気持ちはあるよね。なんかすごそうじゃん天界。なんかすごい技術とか建物とか見られそうだし。
「ゼウス様に聞いてみなきゃわかんないけど、多分OKもらえるわよ」
「マジか!」
「パパは絶対にOKしない!」
「大事な愛娘の顔を見る為ならOKするでしょ。それに、勇くんはちょっと特別だからね」
「俺が特別?」
「そうそう特別。英語にするとspecial!」
「いちいち英語にしなくてよろしい」
なんか特別らしいから行けるっぽい。ちょろいな~天界も。
「天界行っても楽しくなんかないよ!あそこ何にもないし!」
「勇ちゃんが楽しめるような場所はあんまりないかも」
「ほら!ないよあんな田舎!そんなとこより地球の方が楽しいって!」
「一応、お前の故郷なんだから少しぐらいは庇ってやれよ」
滅茶苦茶故郷の悪口言うじゃんコイツ。他の神様たちに刺されたりしないか不安になる。
「勇ちゃんが楽しめるかわかんないけど魔法の体験とかRPGの世界を実際に体験できるような場所は一応あるけど」
「何それめっちゃやりたい!」
男のロマンだよそれ!ついに俺も魔法デビューか~実は魔法の才能があったりして......ってそれはなさそうだな。
「OK決まり!それじゃあゼウス様に聞いてみるね。OK出たら天界ライフを満喫しよう!」
「待ってろよ!ファンタジー!」
2人で仲良くハイタッチ。ついでにハグも......
「ってそこまではしないからな!」
「ちっ......もう少しだったのに」
なーにがもう少しだよ。惜しい要素なんてどこにも無かっただろ。
「あー!勇くんが裏切ったー!」
「やっべコイツの事忘れてた」
「どうせ私は影の薄いストーカーだよー!」
多分、ストーカーは影が薄い方がいいだろ。
ということで、今年の夏は海水浴と花火大会と天界に行くことが決まりました。天界に行ったらお母さんには会えるかな?会えたらここ数ヶ月の思い出をいっぱい話そうと思っている。
もちろん、会えなくてもお盆にはお母さんのお墓参り行く予定。今年のお墓参りは賑やかになるよお母さん。
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