夏と言えばエロい姉ちゃん!by一般女子高生
「夏と言えば~!」
「甲子園!」
「かき氷!」
「水着の姉ちゃんに決まってるだろ素人ども!」
「いやお前のが不正解に近いと思うぞ」
ということで我々高校生は今日から夏休みに入りましたとさ。まあ、だから何だという話なんだが。
生徒会はほぼ毎日この灼熱の中活動しないといけないし朝は早い。ぐーたらライフは出来ない。
「テンション高いな赤いの」
「テンション低いな副会長」
「暇人はいいよな。ただぐーたら生活できて」
「私だって忙しいからね」
「ほう。それじゃあ夏休みの予定を言ってみろ」
顎を上げ、見下すような態度をとりながら聞いてみる。
「えーっと。まずはバイトから始まり、友達と遊ぶでしょ。映画見てアニメ見てゲームして海行ってナイスバディな姉ちゃん探す」
「めっちゃ暇じゃねえかよ!」
「忙しいわい!」
呆れるぐらい何も無いだろコイツの夏休み。俺も夏休みは決まった用事ってものはあまりないが。
「翔平は夏休みなんか予定とかあるのか?」
「特にはねえな。母ちゃんの実家行くぐらいだな。後はほとんど野球」
「今年も大変だな」
「まあ、好きでやってるから」
「それでも、すごいとは思うけどな」
あんまり長続きするタイプじゃないから羨ましいわ。今年の夏休みはなんか挑戦してみようかな?そう思いつつ何もせず早17年。時の流れは怖いですね。
「生徒会って夏休みなにするんだ?」
「うーん。特に何か決まっているわけじゃないけど雑用押し付けられるって感じかな?草刈りとか学校の掃除とか」
去年は大変だったな。二人しかいないのに仕事量が多すぎた。少しぐらいは手伝ってくれたらよかったのに。
「まあ、今年は期待の新人が居るから去年よりかはましかな」
「任せてください!いっぱい働きますよ!」
「これがまだ何も聞かされていない可哀そうな少女です」
「アテナちゃんの観察日記でもつけようかな......」
お前までストーカーになったら収集がつかなくなるからぜひともやめて欲しい。
「随分と楽しそうに話し込んでいるじゃなか。ぜひとも僕も混ぜて欲しな」
「いや、なんであんたが俺らの教室に来るんだよ」
「知ってるだろ?アレ以降僕は姉さんにはじかれたんだから居場所がなくてね」
「いや、マジな回答は反応に困るんですけど......」
「Hey!ナルシスト先輩!夏といえば何!」
「うーん夏か。やっぱり花火大会とかかな?」
「あーこいつらおもんな」
「夏はお前の欲望を満たす季節じゃねえよ」
「ちなみに朱奈くんはなんて答えたんだい?」
「水着の姉ちゃんって言ってましたよコイツ」
「犯罪だけは起こさないでね?」
俺らよりも男子高校生してるよコイツ。多分、俺らより坊主の奴との会話の方が盛り上がってそう。
坊主キャラってアニメだとエロガキのイメージあるけど、ドラマになるとなんか犯人とか人を殺しそうだなっていうサイコパスキャラのイメージ。
実際はアニメみたいなエロガキの方が多い感じするけど。
「そういえば勇凛はあのエロい姉ちゃんと夏を過ごすの?」
「エロい姉ちゃん言うな。特に一緒に過ごすことはないよ」
アルテミスの事は一応、最近近所に引っ越してきた人という設定として朱奈と翔平に伝えている。
まだ、イリスの事はバレていないが正直、こっちの方がバレたら大変だろうな。朱奈とイリス、なんか相性よさそうだし。
「えーほんとでござるかー」
「そろそろキャラを確立してくれよ朱奈さんや」
属性増やし過ぎると大変なことになるぞ?
「2人とも。とっくに時間過ぎてるけど?」
「綾華先輩!」
「あはーすみません。ちょっと話が盛り上がっちゃって」
「しょうがない子たちね......」
少し呆れているが笑顔で叱る綺華さん。前よりもどこか落ち着いている感じがするのは気のせいだろうか?
「綺華先輩は夏と言えば何ですか?」
「うーん夏ねー」
小首をかしげながら考えている。質問した朱奈は何かを期待しているようだ。
「やっぱり海かしら」
「惜しい!惜しいよ綾華先輩!」
「何が惜しいだよ。完答だろこれ」
この問題はお前か某クレヨン5歳児しか答えられないだろ。
「ちなみに答えはなにかしら?」
「水着のエロい姉ちゃん!」
「朱奈ちゃん、一応女子高生なんだからもうちょっとためらおう?」
その通りです。せめてその発言は人前でするのは止めよう。色々と危ないと思う。
「勇凛君は水着のエロい姉ちゃんすきだもんね?」
「好きじゃないし!全然好きじゃないし!」
小さく肩を揺らす悪戯少女。
なーにを見えはってるんだか俺は。そうゆうお年頃ではあるが。
今年の夏は去年よりも忙しいだろう。生徒会の仕事にみんなで海水浴。花火大会だって行く予定。
いつも予定がないと嘆いていたが今年はそんなことないようだ。なんだかんだで楽しみにしている自分がいる。
偶にはそんな青春な夏休みも悪くないか。
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