神様だってゲームがしたい!
「奴らがいないだけでなんて静かなんだろう!」
今日は、奴ら自称神様たちは綾華さんとアテナと一緒に買い物をしに出掛けた。生徒会の仕事が午前中あり、一人だけ帰るのは少し寂しかったが偶にはそんな日があってもいいだろう。
この家に一人だけというのは久しぶり気がする。イリスかアルテミスのどちらかは家に居るからな。
とはいっても、やることはやらなければならない。料理とか掃除とかね。邪魔されることはないし、今日はいろんなところを片付けちゃいますか!
「......こういうときに限って昨日終わらせてるんだよな~」
掃除は昨日、一気にやっちゃったっけ。こうなるなら急いでやる必要なかったな。
残るは今日の晩御飯の準備しかないな。そうと決まればさっそく買い物に......と思ったが何にも献立考えてないや。無計画に行くのも偶には悪くないか。
そう思い玄関のドアノブを掛けようとしたとき、扉が勢いよく開く。
「たっだいまー」
「うわ!」
戦車が我が家に正面突破してきた。そのせいで、頭を思いっきり床に打ち付けてしまった。
「いってー」
「大丈夫ですか!」
「勇くん死んじゃやだ~」
「オニイサンサービススルヨ」
「カオスな空間ね......」
「あ!綾華さんとりあえず扉閉めてください。近所迷惑で怒られるんで。後、イリス邪魔」
「邪魔って何よこんなにサービスしてあげてるのに。ほれ!ほれ!」
「了解しました~」
三人集まれば文殊の知恵とか言うけど、四神集まれば混沌極まれりって感じだな。
とりあえず、問題児二人とお客さんを迎え入れました。ご飯の準備はまだできないようです。
「何しに来たんだよ」
「いやーアテナがゲームやりたいって言ってるから」
「アテナに娯楽を教えようって話になったの」
「アテナちゃん何にも知らないからさ~」
「お前だって対して知らないくせに」
「そんなことないよーだ!」
そんな事あるんですよアルテミスさん。アンタの知識のなさにはいつも脱帽ですよ。
「私何も知らないので......」
「まあまあ、生活していけば色々と覚えてくるさ」
「俺が手ほどきしてあげるさmyエンジェルちゃん」
「俺はそんなこと言いません!」
アテナが可愛そうだからやめてあげろ。これは何ハラになるんだろうか?パワハラ?セクハラ?とりあえずこの上司が調子に乗る前に何とかした方がいいと思うぞ。
「とりあえず、なんかゲーム持ってくるから待ってろ」
「私も行くー」
「お前は来るな下ネタ戦車」
「はいはいイリスさんはこっちで待ってましょうね~」
「後輩のくせにいい度胸してるじゃない!」
「上司としての威厳を保てよ!」
やけにテンションが高いなイリスの奴。もう少し、できるなら黙っていて欲しい。
「パーティーゲームとかの方がいいかな?」
初めてやるならみんなでワイワイ楽しめた方がいいだろ。というかコントローラー足りるかな?四人分あればいいんだが。なければ、イリスから借りればいいか。
「おーい持ってきたぞ」
「待ってました!」
「おーやろうやろう!」
年下よりもはしゃいでるのを見ているとどっちが上司なのかわからなくなるな。
「何のゲーム持ってきたの?」
「マリコパーティー」
「あー!私でも知ってるよ!」
「はいはいえらいえらい」
「子ども扱いするな!」
実際子どもみたいなもんだろお前は。
「最大四人プレイだからみんなでやってくれ」
「私、ゲーム下手だし、勇凛君やっていいわよ」
「そんな実力差出るゲームじゃないですし。多分、綾華さんより下手なやついるんで大丈夫ですよ」
「そうだよ先輩ちゃん!一緒にやろうよ!」
「......そうですね。お手柔らかにお願いします」
この四人でゲームするってなんかすごい光景な気がする。
「あの......」
「どうしたアテナ?」
「どうやって操作するんですか?ボタンが多くて分からないです......」
「基本的にAって書いてあるボタンと左上にあるスティックを倒して操作すればいいよ。他の操作があるときは教えてあげるから大丈夫だよ」
「わかりました!」
なんかアテナに火がついたっぽい。頑張れアテナ!あのセクハラ上司に負けるな!
「そういえば、買い物行こうとしてたんだった。適当に遊んでおいてくれ」
立ち上がった瞬間誰かに腕を掴まれる。
「あの、できれば傍に居て欲しいです......」
「それには私も賛成だわ......」
2人が向けている視線の方向を見ると悪い顔をする大人が2人。......なるほど
「今日の晩飯、出前でいいか?」
「いいけどなんで?」
「お前らがやらかさないように見張ってると料理できないからだ」
「何もしないわよ。ねえアルテミス」
ぶんぶんと縦に振るアルテミス。何もしないだろうが何かやらかすんだろうな。
「イリスのおごりってことで」
「なんで私のおごりなのよ!」
「上司が奢るべきではないでしょうか?」
「......わかったわよ」
やったー!意外と簡単に言いくるめることが出来たぞ!後輩の前では先輩としての威厳を保ってるんだな。
「......覚えておきなさいよ」
「何か言ったか?」
「ううん何も!」
絶対なんか言った後の笑顔だよアレ。まあいいや。今気にしても仕方がない。
「キャラ決めてスタートな」
「うーい」
ということでみんなで楽しくテレビゲームの始まり始まり。
この時点では、誰もあんなことになってしまうとはこの時点では誰一人として予想することが出来なかったのであった。
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