先輩もストーカー?
「あ、ゆうふん何味食べふ〜?せんふぁいちゃんも何食べふ〜?」
「せんふぁいちゃんって私のこと...?」
「そうだと思います...」
メールを送ったが何故この神様達は家に居るんだ?
ちゃんと返事も来たのに。嫌がらせか?
「あ〜綾華ちゃんの声か〜久しぶり〜」
そう言いながらリビングから姿を現すイリス。イリスもアルテミス同様、部屋着姿だ。だが、アルテミスより肌の露出が少し多い。
ちなみに、いつも可愛らしい絵柄の入った部屋着を着ている。特に猫が描かれている物をよく着ているから多いからきっと好きなんだろう。
「お久しぶりです、イリスさん。ここにいたんですね」
「う〜ん、アルテミスが心配でね〜」
「二人って知り合いなの?」
「まあね〜」
意外な接点だ。でも、イリスって一応神様って訳で姿や名前は簡単には表さないだろう。
という事はまさか...
「前に言っていた神様ってもしかして...」
「そうだよ〜綾華ちゃんはそのうちの一人なのだ〜」
寝起きの為か衝撃の事実を淡々と話している。
「驚かないんだね。意外」
「自称神様が二人も居るからね...」
「「自称神様じゃないです〜」」
同じ反応をする自称神様達。表情も全く一緒だ。
「まあ、とりあえず入って。立ち話もアレだし」
「では、お邪魔します」
イリスが先導し、綾華さんをリビングに向かわせる。その後ろに続く俺。ちょっとした行進隊の完成だ。
「ささ、座って座って。」
「失礼します」
「い〜よ〜、そんなに固くなくて。リラックス、リラックス」
「はぁ...」
朗らかな笑みを浮かべるイリスとは対極に困惑を浮かべる綾華さん。
いつもと違うのだろうか?なんだかぎこちない。
「はい、イリス。先輩ちゃんと勇くんはどっちがいい?」
そんな気まずい中に現れたのはまだ何も理解していなさそうな雰囲気の自称神様がアイスを持って台所からやって来る。
「綾華さんが先に選んで良いですよ」
「じゃあバニラにするわ」
「チョコにしよ」
「私はバニラ」
なんだか平和な感じがするがこっから先は少し荒れるんだろうな。
「そう言えば、綾華さんは何の神様なんですか?」
神様って言われても沢山いるもんな。教えてくれるかわからないが聞いてみる。
「苗字の通り、私は稲荷。つまりは狐ってことね。だけど、私が神様って言うよりかは、お母様が神様なんだけどね」
「つまり、綾華ちゃんは神様から産まれた子どもってこと。正確には神様じゃないけど。いつかは神様になるの」
綾華さんの内容に補足をするイリス。
神様の子どもって凄いな。小さい時に会っていた綾華さんのお母さんって神様だったんだ。
「稲荷って日本の神話に属してない?ギリシャ神話と管轄が違わないの?」
「本当は違うの。だけどね、他の神話の仕事を教えたあげて欲しいって頼まれちゃって。それで私が面倒見てるのよ」
「勉強させてもらってるの。後、各神話についても教えてもらっているのよ?」
ほへ〜。なるほどね。よくわからんがそう言う事なんだろう。
横を振り向くと俺と同じ反応をしている神様が居る。
お前はわかってないとダメだろ。
「じゃあ、綾華さんは俺のストーカーをしてたって事?」
「ストーカーってより監視って感じ?週に一回レポートを提出してもらってるわ」
「ごめんね、裏で色々しちゃってて」
謝る綾華さん。日常もネットサーフィン中もストーカー行為されてると知るともう何も思わなくなる。
「大丈夫ですよ。こんな返事もおかしいと思うんですけど」
「そう言ってくれると助かるわ」
この家に来て初めてこ笑顔を見せる。ずっと不機嫌そうな顔だったから少し安心した。
「先輩ちゃんって勇くんと話す時もっと柔らかな感じで話してなかった?」
「あ〜言われてみればそうかも。可愛らしい話し方してたのにな〜見てみたいな〜」
普通に疑問に思ったのだろう、疑問符を浮かべながら唐突に質問するアルテミス。
それにのり、煽るかのような喋り方で同調するイリス。
「アルテミスはまだしも、何でイリスは知ってるんだ?」
「そんな事ないです...」
赤を赤くし下を向く綾華さん。その反応は年相応な感じがして可愛らしい。
そんな反応を見た自称神様達はニヤリと笑う。
うわ〜めっちゃ悪い顔してるよ。これが後輩いじりって奴か。
「前に見た時はあんなに責めてたのにな〜」
「勇君と二人じゃないと恥ずかしくて可愛く喋れないのかな?」
「もう辞めたあげて!?」
さっきよりも更に顔を赤く染める綾華さん。
あ〜身体も震え出したよ。
申し訳ないがそんな姿が可愛いと思ってしまった。
「...可愛くなんかないよ」
「神様じゃないんだよね!?何で人の心読めるの!?」
「や〜い追い討ちかけてやんの〜」
「やんの〜」
お願いだから野次は飛ばさないで欲しい。後、アルテミスはその言い方でいいのか?急にモブキャラ感出てるけど
「まあ、いじるのはこれぐらいにしてあげて、エロ本探しますか〜」
「毎日探索してるけど全く見つかんないよ?」
「九十九冊も隠せる場所は限られてくるんじゃないですか?」
「百冊は嘘だから!?実在しないから!?」
三人は同時に立ち上がり人の部屋に勝手に入って行く。
さらってヤバいことを言っていたがそれよりも今を何とかしなければならない。
「そういえば、前に見つけた一冊ってどんな感じだったの?」
「前見つけたのは〜...」
「お願いだから言わないで〜二人の秘密にしておいて〜」
泣きながら全力で続きを言わせないようにする。
バレたらもう終わりだよ。
「ふふっ、楽しそうで羨ましいわ」
そんないつもの俺達を少し離れた所から見守っている綾華さんはいつもは見せない美しくも可愛らしい笑顔を見せるのであった。
ちなみに、この後見られてはいけない物が沢山見つかり恥ずかしい思いをしました。
見つけた本人達はウッキウッキだったけどね!
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