第75話 捕ります、撮ります


♪エンヤァトット エンヤァトット


♪前は大河ぁ 後ろぉ~は ふんふんふんふん


ん?

イトーに行くなら?

4126?




波打ち際にワタシの歌声が響き渡ります


ワタシの目の前には、お姉ちゃんズ3人と採取者さん


その4人は膝下まで川に浸かり、みんなで網を使って黙々と【ジェリッシュ】を捕まえています


ちなみにジェニー姐さんはというと、


左手でワタシが渡した【晴雨兼用日傘 600円】をさしながら


右手で【カイト】を巧みに操っています


ホント、器用なものです


ワタシはジェニー姐さんの作り出す日陰の恩恵にあずかりながら、


目の前で繰り広げられる作業に見合う曲をチョイスし、


コブシを回していた、ということになります



実はこの状態になるまでには、少し時間がありました



「ちょっとスキニー? 大丈夫?」

「スキニー? しっかりして!」


「うぇっ!?」


ジェニー姐さんの声掛けで、遠のいていた意識を取り戻したワタシ


危うくアオヤギのおばちゃんの醸し出す何かに洗脳されかけたみたいでしたが、何とか戻ってこれたようです


(危にゃ~危にゃ~)

(ワタシってば、【買い物履歴】画面を見ながら、人前で固まってたみたい)


何とか気を取り直したワタシは、目の前に表示されている[あなたにお勧め]の商品たちを見て考えます


(おばちゃんのトークはアレだったけど、お勧めの商品自体は良いモノだからね~)


ということで、早速購入して、みんなに紫外線対策を施すことにします



まずは【日焼け止めクリーム】から


「みんな~、川に入る前に~、まずこのクリームを塗ってくださいです~」

「これは日焼けを防止してくれるのですよ~」


プリシラ「日焼け防止ですの? それはありがたいですわね」


採取者さん「ウチらみたいな採取者は、日焼けが悩みだったからありがたいよ」


「お顔と首は重点的に塗るのですよ~」

「耳の後ろも忘れずにです~」


お姉ちゃんズ「「「は~い!」」」



続いては帽子です


[あなたにお勧め]に表示されている全部の帽子を取り出して、みんなに選んでもらいます


「帽子はみんな、好きなの選んでほしいのですよ~」



クロエ「アタイはコレ!」


イヌミミがあるクロちゃんは普通の帽子だとアレなので【サンバイザー】を選びました



ケイト「コレ、可愛らしいです!」


ケイちゃんは女の子らしいリボンが付いた【手編み風ハット】が気に入ったようです



プリシラ「わたくしはこの紺色の、この帽子にしますわ」


プリさまは金髪が映える紺色の【バケットハット】をチョイス



採取者さん「ウチもいいのかい?」


そして女性の採取者さん、お名前は、アレッタさん


彼女が選んだのは、【つば広麦わら帽】


ということになりました



もちろん、ワタシとジェニー姐さんは、以前購入した自前の帽子があります


ワタシは【Wのロゴの濃紺野球帽】


ジェニー姐さんは【オシャレ麦わら帽】



そして作業に邪魔になる髪を束ねるため、ピンクの髪ゴムもみんなに配ります


ケイト「きゃぁ、かわいぃ~、コレ」


プリシラ「ケイトはカワイイ物が好きですものね?」



もちろん、ワタシとジェニー姐さんは以前購入したオソロのアレ


【シュシュ ふんわりレース パールデコレーション付き 黒】



最後に全員にサングラスも配布です


クロエ「へぇ~、コレをかけると眩しくないね」


プリシラ「目を隠すのはちょっと怖いですわ」


アレッタ「ウチもいいのかい?」


「ええ。【ジェリッシュ】漁の間だけの貸出ということで」



みんなサングラスは初めてのようで、ちょっとおっかなびっくりでしたが、


かけてしまえばみんな美人さんだからなのか、かなりお似合いでした


ジェニー姐さんもサングラスをすると、オサレな帽子と相まって、かなり決まっています


(美人さんはなにをしてもカッコよく見えて得ですよね~)


ちなみにワタシはサングラスはかけていません


ワタシには大きすぎて、ズルっとずれ落ちてしまったからです




あとは先程買っておいた【防鳥ネット 青色 網目1cm 4×2メートル 四方ハトメ付き】



みんなでコレを使って、【ジェリッシュ】網漁をやっていただきましょう


そんな事前準備的なことがあってから始まった【ジェリッシュ】網漁


ワタシは体調が戻るまで運動禁止。なので、見てるだけです


(でも、何もしないのは暇なのです・・・)


ということで、コブシを回していたワタシなのでした



♪ 川の~漁場はヨ~ 女の~遊び場サァ~


ん?

さぶちゃん?



大御所の歌で締めくくったワタシ


30分ぐらいで【ジェリッシュ】網漁はソッコー終了なのでした


そのお手軽漁の結果は、クズ魔石を4人で合計132個ゲットした模様です


(それにしても、こんな短時間で、132個のクズ魔石ゲットですよ?)

(不慣れでこれって、結構いいんじゃないしょうか)

(それにしても、どんだけ【ジェリッシュ】いるんでしょうね?)

(まあ、ワタシ的にはありがたやありがたや、なんですけどね)

(とりあえず、みなさんへの対価、おやつはひとり3本かな?)

(う~ん、順調、順調!)



ここで気分がよくなったワタシは、【買い物履歴】画面から、あるモノを購入します




【インスタントカメラ チェケラ! スクエア 11,980円】


【チェケラ! スクエア フィルム 30枚セット 3,099円】



これはアレです。撮影と同時にその場で写真をゲットできるインスタントカメラです


有名なポラ〇イドではありません


これは日本製のヤツで、写真が縦横比1:1の正方形になるタイプのヤツです


(これを使って、思い出を写真に残しておきましょう)

(こういうイベントには、記念写真って必須でしょ?)



ということで、早速撮影です


「ハイハ~イ、みんな動かないでくださいで~す!」

「今から写真を撮りますで~す!」



お姉ちゃんズ「え? なになに?(なんですの?)」

アレッタ「ん?」


有無を言わせずスキを見てシャッターを切るワタシ


カシャ

ウィーン


急な撮影で、みんなちょっと変顔になっているのもご愛敬なのです



「はい、撮れました~」

「みんなの表情、バッチグーで~す!」

「という訳で、これは記念として、お客様のアレッタさんに差し上げますね?」


アレッタ「え? なに? ウチにくれるの?」

アレッタ「これウチらの絵? あんな短時間に絵を描いたのかい?」


「これは絵ではなくてですね、写真というのです」


アレッタ「しゃしん?」


「ですです。写真とはですね、一瞬にして景色を写し取る技術なのです」


アレッタさんに写真を渡しながら説明していると、お姉ちゃんズが覗き込んできました



プリシラ「あらら? 私たち4人が描かれていますわよ?」


ケイト「こんなちっちゃな絵になってる」


クロエ「いいなぁ~、いいなぁ~。アタイも欲しいなぁ~」


「ん? 欲しいです? なら、もっと撮りましょう」


ということで急遽、川辺の撮影会が始まりました



集合写真や個人写真、ツーショット等、合わせて30枚、購入したフィルム全て撮影してしまいました


もちろん、その中にはジェニー姐さんの写真も含まれています


「スキニー、私も仲間に入れてちょうだいね?」


こんな面白そうなイベントを見逃すジェニー姐さんではありません



そして撮り終わったら、写真をみんなにプレゼントです


クロエ「アタイの姿絵~、アタイの顔絵~♪」


ケイト「小さいのに、凄く綺麗に描かれてますね~」


プリシラ「色もついているなんて、驚きですわ」


アレッタ「こんなに凄いもん貰っちまって、なんだか恐縮だよ」

アレッタ「でもなんだか嬉しいもんだね」



(うふふっ。やっぱり女の子って、写真とか好きですよね~)

(ん? もしかして、これも商売にできるかな?)



休憩の為にお家に戻る道すがら、そんなことを考えるワタシなのでした


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