第16話 野営場?に到着


その後も十数回、ぷしゅーぷしゅーと蚊柱を撃退し、レベルがもうひとつ上がった



Lv.7


HP 6400

MP 6400

攻撃 640

防御 640

魔力 640

速度 640

幸運 640


スキル

 【言語理解 Lv.7】

 【インベントリ Lv.7】

 【買い物履歴 Lv.7】



【買い物履歴】画面のチャージ魔力量【985230】



討伐した魔物の魔石から自動的に得たチャージ魔力量はなんと、驚きの【985230】

これなら、一時的な投資的な買い物にもある程度耐えられるだろう


そしてMPも6400まで増えた

これなら、日々の食費を心配することもないだろう


(ワタシも成長したよね。毎日6,400円分のお買い物ができるようになりました)

(これでとりあえず、飢え死にはしなくて済みそうかも・・・)


ホッと胸をなでおろすと、またしても手のひらに柔らかい感触


(・・・早くカワイイお洋服に着替えたいな・・・)


胸元に目を向けると、濃紺のダボダボなジャージ

明らかにサイズがあっていないし、何よりダサい


装飾品も身に着けておらず、唯一その首にかかっているのは、体育の授業で使っていたアルミ製のホイッスル

先程目にした可愛らしい自身の顔面偏差値に対し、あまりにも酷い服装である


(首にかけてるのがネックレスじゃなくて、体育の先生御用達のホイッスルって、どういうこと?)


ん?

アルミ?

ホイッスル?

体育の先生?

何だっけ?


自分のことのはずなのに何も分からない

靄がかかってほわほわした感じ


(まぁ、気にしたってしょうがないよね)


歩きながら、この状況の不思議さを、他人事のように処理するワタシだった




(ちょっと日差しが斜めになってきたかな・・・)

(あれ? あそこ、なんか開けてない?)


昼過ぎから夕暮れの中間、そんな時間帯になって、開けた場所が目に入ってきた


大型休憩スペース、駐車場、サービスエリア、野営地、そんな雰囲気の場所

ただ単に開けた土地があるだけではなく、水場的なところやちょっとした炊事場等もうかがえる

さながら日本の高原キャンプ場、そんな感じがした


(何だか富士山の麓にある、おもちが売りのドライブイン近くのキャンプ場みたいだね)


ん?

日本?

富士山?

キャンプ場?

おもち?

何だっけ?

・・・まぁ、いっか


いつもの疑問を頭の隅に追いやり、重い足を動かし続ける

とりあえずの目的地が目の前にあるので、足取りは重いがペースは上がった



(やっと、休憩できそうな場所までたどり着いたよ・・・)


しばらく歩き、どうにかこうにか野営場? の入り口に到着したワタシ


野営場といっても、特に周りを塀等で取り囲んでいるわけではなく、単に草原の草を刈った広場的なところ

逆に言えば、草原の草が壁の代わりになってる感じ


野営場? の入り口には日本の交番みたいなちょっと小さめの管理小屋みたいなものがある

その小屋の入り口は開け放されており、中には制服っぽい服と帽子を被った男の人がいるようだ

赤と白を基調としたそのデザインは、ヨーロッパのちょっとした衛兵っぽさを感じる

あるいはマーチングバンドの衣装とでも言った方が分かりやすいか


(管理人さんかな? それとも駐在さん? とにかくご挨拶しておこう)



(ココってお金必要じゃないよね? 有料キャンプ場だったらどうしよう・・・)


そんな一抹の不安と共に、野営場の管理小屋的な建物を目指すのだった

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