第12話 いざ出陣!
レベルが上がって、MPが1600になった
とりあえず最低限生活できる(食費が賄える)までMPを増やすことができた
(一食500円以内に収めれば、何とか食べていけるレベルになったね)
そして、『討伐した魔物の魔石からMPを自動チャージしますか?』的な設定を「Yes」としていたことで
知らぬ間にチャージされていた【買い物履歴】のチャージ魔力量は、何と【36540】
小物雑貨程度なら多少購入することができるようになっていたのである
とはいえ、異世界転移してきたばかりで何も分からない状況は変わっていない
今は無駄遣いをする余裕はないのである
(何か買うのは、どこか落ち着ける場所まで行ってからかな)
そんなことを思いながら、辺りを見回す
目の前には土がむき出しの幅2メートル弱の未舗装道路
道の両サイドには胸丈まで伸びた草が生い茂る草原
(道があるんだから、この道を歩いていけば、どこかの街にたどり着けるよね?)
このままここにいても、状況は何も改善されない
ならばここを離れ、人がいる場所までたどり着くべきである
そんなこんなで、気持ちを切り替える
そして、ナニゴトも区切りが大事と、ひとり出陣式をはじめるワタシ
「この道を行けばどうにゃるものか、危ぶむにゃかれ、危ぶめば道はにゃし」
「踏み出せばその一足が道ににゃり、その一足が道とにゃる」
「迷わず行けよ、行けばわかるさ」
「わん、つー、すりー、にぁーっ!」
一部ちょっと違うかもしれないセリフによる、出発のための孤独なセレモニーは無事終了した
右手のこぶしを突き上げ、己を叱咤するがごとく可愛らしい声で宣誓をしたワタシは、ついに未知なる異世界で移動を開始するのだった
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