第13話 ひとりの旅路


歩き始めて、はや30分

もうすでにグロッキー気味なワタシ

早い、早すぎる

普段あまり運動をしていないと自覚しているワタシではあるが、ここまで酷いとは思わなかった

酷い事柄とは、もちろん自身の体力のなさ、である


「かったるい~、だるい~、足が痛い~」

自身に文句を言いながらトボトボと歩みを進める


(どこまで歩けばいいんだろう、もう疲れちったよ・・・)

目的地も分からないままの孤独な行軍は、実はかなり心を不安定にさせるものである


この疲労はもちろん、ただ歩いていることだけが原因ではなかった

途中、追加で殺虫スプレーを購入する必要があるほど、蚊柱に何度か遭遇した

結構な数の蚊を屠ったのだ


たとえ虫に慣れ親しんだ人であったとしても、ちょっと大きめな蚊の骸を何百という単位で目の当たりにすれば、さすがに精神的に来るだろう

いわんや、うら若き? 女の子おや、である


そんな苦痛を強いられれば、レベル急上昇! 的なご褒美で報われてほしい所だったのだが

しかし、レベルは1つしか上がらなかった



Lv.6


HP 3200

MP 3200

攻撃 320

防御 320

魔力 320

速度 320

幸運 320


スキル

 【言語理解 Lv.6】

 【インベントリ Lv.6】

 【買い物履歴 Lv.6】



【買い物履歴】画面のチャージ魔力量【158380】



(まあ、懐(チャージ魔力量)に余裕ができたと思えば、良しとしよう・・・)

(はぁ~、早く落ち着いた場所まで行って、お買い物したいな・・・)


【買い物履歴】のチャージ魔力量を稼げたことだけが、ワタシの足を動かす唯一の原動力となっていた



そんなこんなで、体の疲労に伴い、心にも余裕がなくなりつつあったその時

自身の後方からガラガラと何かが転がるような音が聞こえてきた



(ん? 車輪の音? もしかして、馬車的なヤツかな?)

後ろを振り返ると、遥か先に馬2頭引きの馬車的なモノがこちらに向かってくる様子が目に入ってきた

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