18話 身元保証人2

  


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 「それはだな、リーターセタース子爵家庇護人君は何を正義とするかね。」

  と、今までで一番真剣にフッシュ公爵が聞いた。その声は、心の底まで震えるような声だった。その心の底まで震えるような声にリーターは、怯えながらも

「正義ですか。私は、正義なんてないと思います。だってどんな人でも正義は、異なる物であるだから、戦争や争い・略奪が起こると自分は思っています。自分は、山賊に自分の全てを奪われましたが、それも山賊たちにとっては山賊なりの正義が有ったから自分たちの村を襲ったのでしょう。なので私は、あの日から正義を持つことをやめました。」

と即答した。

 そんなリーターの反応を見たフッシュ公爵は、

「やはり君だったか。リーターセタース子爵家庇護人この話を前の晩餐会で、誰かに話したことはないか。」

 と、又真剣に聞いた。 

「え~っと。確か1回だけあの夜の晩餐会で、話したことがありますがなぜそれをフッシュ公爵が、知っているですか?」

「それはだな。貴族の情報網をだと、カッコつけて言いたいのだが実は、リーターセタース子爵家庇護人がその話をした相手がな我が帝国の102代帝王セシスタース=ホノグス帝王様だ。」



「えぇ。まさか、あの優しそうな人が帝王うぅ。」

そこまで、頭がよくないリーターでも帝王は、一生普通の人は会えないことは知っている。さらには、その帝王と喋ったことがどれ程すごい事かは、リーターもわかっている。しかし同時に、リーターを悪寒が襲った。何故なら、簡単に要約すると帝王様の前で帝国の回りの治安が悪く、自分の村が襲われたと嘆いたことになると思ったからである。そんな、リーターの焦りを知らない、3人はリーターに帝王と喋った感想を聞こうとしていた。


その後何とか、通常道理に戻ったが誰でも分かるくらい、動揺しまくっていた。将来、この話が一生リーターを悩ませることになるとは、誰も知らなかった。



~帝国のどこかの村~

 

 季節が夏になってから、毎日の様にとある村の近くの川から、

「待ってフリッジ」

 「フリッジちゃん行け~」

 など、河辺から沢山の子供たちの声と共に川から、吐出している石から他の石へと飛び移っているフリッジとそのほかの女の子たちが居た。

 毎日、夕方になるとフリッジを拾ってくれた、お爺さんとお婆さんが待つ家へと帰っていった。

 


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