12話 さあ一緒に脱出だー
012
(やばい、見張りが来る。)
全員がそう思った。
「リーター、王都子爵伏せろ」
突然、シェーンが叫んだ。
その声に反応したリーターとフローラ王都子爵はそのあとすぐに伏せ寝たふりをした。
リーター達が伏せた、すぐ後、
「ガキたちは、ぐっすり寝ているかな?」
と太い棍棒の様な剣を持ち、うす気味悪い声で「ケタケタ」と笑いながら、見張りの若い人攫いがやってきた。
(キッモー)
と、初めて全員の考えが一致した。
「あぶね~逃げ出していたら、俺が売られるとこだったぜ」
と言い残し馬車前方に、行こうとしたとき
「今だ」
と、木製の剣ではなくシェーンが“スラム“を教えてくれたガスナーさんに、”スラム“での護身用として貰いそれ以来大切に、懐に入れてあった金属製の剣を取り出しながら叫んだ。そのシェーンの声に反応したリーター達もそれぞれの短剣を取り出し、馬車前方に歩いていた見張り役の若い人攫いに襲い掛かった。
「えっ寝たのじゃ無かっ」
と最後まで喋れず見張り役の若い人攫いは、シェーンに眉間を貫かれた。
「シェーンすごいよあんなに1発で倒せるなんて。」
「確かに、そうですね。これは、誇っていいことですよシェーン。それにしてもこんなに綺麗に眉間の真ん中を、剣で後ろから貫けるなんてセタース家の護衛もいるかどうかですわ。」
「ありがとうリーターと子爵。それよりも、人攫いの親方を拘束しないとね。」
「そうでしたわね。皆さん気を引き締めてください。その親方は、王家系のセタース家が誇る護衛達よりも強いですから。」
3人で、ゆっくりゆっくりと馬車前方の人攫いの親方に襲い掛かれる位置まで、息を殺しながら歩いた。
先頭のシェーンが人攫いの親方に襲い掛かれるまで後10cmとなった時に、
「あーよく寝たな。」
と、人攫いの親方が目覚めた。その後、寝起きの人攫いの親方にシェーンが金属製の短剣で襲い掛かったが、人攫いの親方は左手を犠牲にしシェーンの攻撃をかわした。
「クソガキが~俺の腕を持っていきあがって死ぬのより恐ろしい目に合わせてやる。」
と、残った右手で鋭い“サーベル“を持ちシェーンに襲い掛かろうとした
そんな時、道の前方が騒がしくなってきた。
「またかよ。こんな時にも、帝国軍が来るなんて運がなんて悪いんだ。まあでも、関係ねえ王都軍が来る前にお前らを殺せばいいだけさ。」
と、先ほどよりも怒りを露わにして、シェーンに目にも止まらぬ速さでサーベルを振りかざした。
キィーン っと高い音が暗い街道に、響いた。
「生意気にも短剣で止めやがって。覚悟しろよクソガキ~」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます