8話華々しい王都のはずがスラムに


008


「すみませーん」

「どうした坊主達何か用か?」

「鍛冶屋の叔父さんココで、雇ってもらえませんか?」

「坊主達親は。親は何処にいる」

「親は居ませんですが、ココで雇ってください」

「すまないがココでは坊主達を雇うことはできない御免な。」

「そうですか分かりました。ハア行こうシェーン」

そうリーターとシェーンは、1つ目の問題お金がないという問題に直面していた。持っているものは、木製の剣のみ。リーター達はお金が、全く無かったのである。お金がないため昨日の晩御飯から約20時間も何も食べられず、お腹をすかせていたのである。そんな姿を見た鍛冶屋の叔父さんは

「坊主達“スラム”って知っているか?スラムは、坊主達みたいなお金が無い奴たちが、集まっている所でな、そこでは毎日スラムの奴らに教会が飯を持ってくる。だからな、坊主達も“スラム”に行けば何か食べられるぞ。」

「鍛冶屋の叔父さんありがとうございます。」

「人が困っていたら助けるのが、当たり前だからな良いってことだよ。あと“スラム“に住むときにはそこのボスに金を納めなきゃいけないって聞くからよこれ、少しだけど持っていきな」

チャリンジャラジャラと、金属音が鍛冶屋の叔父さんとリーターの間から響いた。

「叔父さんこれってお金?」

「そうだよ坊主達」

「そうだ坊主たち。この袋に入っているのはお金だ。持っていけ。」

「いらないです。なんで今、会ったばかりの僕たちにお金なんかをくれるんですか?大切なものなんでしょ」

「…それはな坊主俺も昔、金がなかった時にな、とある老人にこうしてお金をもらってなスラムにいた時があったからだよ。俺はなその後、お金をくれた老人を探しそして、見つけそのお金を返そうとしたんだ。だけどな老人はなこう言ったんだ“このお金は将来もし君の所にあの時の君みたいな人が来たらその時に渡しなさい”と言ってそのお金をな俺に返してきたんだ。俺はそれ以来ずっと、その袋を机の引き出しに大切にしまってあったのさ。それが今、坊主にやったお金の正体だ。」

 と、鍛冶屋の叔父ちゃんは低い声で言った。

「分かりました。ありがたく貰います。そのお爺さんの言った通りなら、今度は自分たちの番ですね」

 とシェーンが言うと、鍛冶屋の叔父さんは明るく

「それにな、将来坊主たちが冒険者になったときに、うちの剣を使ってくれればそれくらいの金直ぐに儲けられるから、持っていきな。」

「鍛冶屋の叔父さんこのお金ってどれくらいの?“味噌汁”何杯買えるの?」

「ガハハハッ金の価値を知らねえなんて、面しれえ坊主だな。この袋の中には大銀貨10枚入っていて、100000ベルイだ。“味噌汁”は1杯100ペルイだから1000杯分だ。」

「鍛冶屋の叔父さんありがとう。叔父さんの名前は?」

「ガスナーだ」

「ガスナーさんありがとうございました。」

その後ガスナーが教えた道順で、スラムを目指すリーターとシェーンの夕日によって赤くなった後姿を見ながら

「がんばれよ坊主!」

っとガスナーは、小さく呟いて工房へと戻った。


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