7話  王都中心部へ


007


 ハァハァ「シェーンもっと速く走って」

 と自分のすぐ後ろを、走っているシェーンに言いながらどうしてこんなことになったのか思いながら、リューマンが休憩中に教えてくれた王都は嘘だったの?どうしてどうして何でこんなに逃げる羽目になっているんだよ。

 時々後ろから、「おい逃げるなよ。くそ坊主逃げるな」と聞こえてくる。

 


 遡る事2時間前リーターとシェーンは、リューマンが言っていた煌びやかな王都を見るために木製の剣を1本ずつ持って孤児院を脱出したのだ。

 だが脱出してから王都の裏路地ばかりを通っていたリーター達に、人攫いが目をつけて追いかけていた。


 もう直ぐ後ろまで人攫いが迫って来ていた、リーターとシェーンはもうだめだと思ったが、

 「人攫いよー」と甲高い女性の声が、王都の闇の中から聞こえた。

 「ちっ。ガキのくせに助かりあがって気に食わねぇ。次は無いからな覚悟しておけよ。」

 と言い残し人攫いたちは来た道を、大急ぎで駆け戻っていった。

 「ココは、危ないからもうどっかに行きな。」

 と助けてくれた女性は、甲高い声を上げて去っていった。

 リーターとシェーンはその後大きな通りに着いたが、もうその頃にはお昼を過ぎていた。そこから、リーターたちは自分たちの考えの甘さに苦しむこととなる。

 

~一方その頃孤児院では~


 「リ~タ~ シェ~ン~何処にいるの」「お願い、リーターもシェーンも出てきて」と孤児院の人が総出で、孤児院内を探していた。


~王都に戻って~


 「腹が減った」

 「飲み物が飲みたいよ~」

 「シェーンあれ見ろよ、王都では“味噌汁”って言う泥水が売っているよ。泥水って王都では、売れているんだね。」

 「違うよ、リーター」

 「“ホーンラビット”って言う魔物の角の中身を取って水に溶いて作るんだよ」

 「ホーンラビットって何処にいるの?」

 「えっと、確か王都の回りにある森の中に居たはずだよ」

 「へー王都って村には、無い珍しいものがあるんだな他にもあるのか?」

 「リーター、僕リーターの村に行ったことないから、有るかなんてわからないよ。」

 「そうだった。シェーンは、僕が居た村にはいなかったんだよな。僕の村は世界で一番楽しくて、思い出がいっぱい詰まっていた世界で唯一の所だったんだよ。今はもう焼けちゃってないんだけどね。」

 「そんな良いとこだったんだね。僕も行ってみたかったよ。」

 「他にも珍しい物を探しに行こうぜシェーン」

 「うん。リーター行こう。」

 2人は力強く1歩を踏み出した。


 まだこの先に数多く待ち受ける困難の内の1つに、もうすぐ直面することを未だ王都の中心部に出てきて直ぐの2人は、まだ知らない。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る