3話 動揺と隠蔽
003
魔物のほとんどを対魔物軍が討伐した為、比較的安全に戻ったインファン街道と通った行商人がある変な匂いを嗅ぎ取った。
行商人が注意深く森の中へ入るとその匂いは、だんだん強くなりやがて吐き気を催すような匂いへと変化していった。
行商人は自分の直感を信じて深い森の中へと入りこんだ。
しばらくすると無数の死体が開けた土地に野営用の器具と一緒に残っていた。ビリビリに割かれところどころ血がついているテントを広げてみてみると大将の階級章にきらびやかな服を着た人や杖を持っている人など5人ほどいた。
行商人は、その中で最も階級が高く豪華な大将の遺体を荷馬車に乗せて王都の軍部の建物まで走った。
~王都軍部内~
まさか対魔物軍が全滅だと、勇者様は無事なのか?などの心配する声が聞こえた。しかし一部からは、勇者様がお亡くなりになられた責任は誰がとるのかという声や、次の勇者はどこにいるのかとこの先の、話をする軍幹部も一定数いた
暫くすると軍総司令が入室してきた軍総司令は対魔物司令官の死を惜しむ言葉とインファン街道の魔物がほとんどいなかったための魔物殲滅作戦の中止(事実上の成功)を伝えた
そして新勇者を探るように各幹部に通達し皆を退室させた。
そして1人になった暗い部屋で、なぜ死んでしまったのだと聞いても無意味な事だとわかっているが、聞かなければ気が済まないと言わんばかりに対魔物司令官の骸に、話しかけた。
後日軍の幹部たちによる話し合いで対魔物軍の兵士たちの遺体・遺品回収が決まった。一部からはまだ対魔物軍を全滅させた魔物がいるに危険ではないのかという声も聞こえたが大多数派の遺体・遺品回収を行うと言った意見が通ったのだ。
~王と総軍司令官の庭での会談~
「総軍司令よインファン街道の魔物殲滅作戦を行った部隊が全滅し指揮官の大将と勇者が死んだトとの報告を受けたがどうなっているのだ。新勇者はもうすでに見つかっているのか?」
「申し訳ございません。対魔物軍が全滅した原因はまだわかっておらず今、調査隊を出した所でございます。勇者様がお亡くなりになられたのかもその内はっきりとするかと。」
「軍部の意見は、新勇者様は勇者様が死んでから探すのだな」
「そうでございます。」
「もし全滅しており勇者様も死んでいるのならばこのことを隠蔽し他国や国民へ伝わらないように情報を封鎖せよ。もう出ていってよい」
「失礼いたします。」
司令官の靴音が、王宮の廊下に響いた。
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