第2話 驚くべき夢
一 つの部屋には、 黄色 の 紗 が 軽く 垂れ下がっていて、 飾り物 もすべて 少女 の 閨房 のものであった。よく彫られた 沈香 木の 床 には 単色 の 繡 花 錦 が敷き詰められ、 簾 鉤 には 小さな 香 囊 が掛けられ、ほのかな 香り が 漂っ ていた。
「・・・うん・・・」
「 張子 良 」はゆっくりと目を覚ましたが、 頭 は 鉛 を飲まされたように 沈ん でいた。
「 瑛 瑶 さん、目が覚めましたね。 心配 しました」ベッドの 前 に立っていたのは、 赤い シャツを着た 十 歳 くらいの 女の子 で、三つ編みが 可愛らしい 。
「 姉 さん? 私 、ここはどこですか? 私 は・・・」
口 を 開い たとたん、「 彼 」は 自分 の 声 に 驚い た。「 柳 瑛 瑶 」はふと 布団 をはがして立ち上がったが、 自分 の 胸 は 傲然 としていた。
彼女 はぼんやりとそのあたりを 見回し た 後 、目の 前 の 少女 をじっと見つめていたが、やがてゆっくりと手を伸ばして 少女 の 腕 をつかみ、 急 に 強く つねった。
「あ、 瑛 瑶 さん、 何 してるの!」 夏 瑾 萱 は、 腕 を振って揉んでは 叫ん だ。「終わった、終わった。これは 稽古 だ」。
「 夢 じゃない、 夢 じゃない・・・」
柳 瑛 瑶 がひとしきりつぶやくのを聞くと、 少女 は 膨らま せた 頬 をゆっくりと 鎮め た。「あの 荘 高寒 は 本当 に 嫌 だけど、あなたはこのように、もしあの 人 があなたに 修理 を 強要 するのを待たないならば、あなたは 先 に 自分 を 練習 して死んでしまう。」
ぼんやりしてぼんやりしている『 柳 瑛 瑶 』、 突然 双 修 の2つの字を聞いて 愕然 として 神 に 戻っ て 質問 します:「あなた、 今 、 何 を言いますか?」
夏 瑾 萱 は 驚い たように 柳 瑛 瑶 を見て、目をしばたたいてから 答え た。「あの日、 烈 陽 宗 の 一行 がうちの 宗 に来て・・・」
しばらくして、 夏 瑾 萱 は 柳 瑛 瑶 が 木彫 のように 何 の 反応 も 示さ ないのを見た。 少女 は 大人 のように 重い ため息 をつき、 首 を振って部屋を出た。
閨房 の 中 で、「 柳 瑛 瑶 」は 力なく ベッドの 上 に 座っ て、まるで1基の 石 の 彫刻 の 塑像 のようで、 両手 は 膝 を 抱い て 身動き もしないで、
混乱 した 情報 が 頭 の 中 に 充満 し、 彼女 は 眉 をひそめ、 苦し そうな 顔 をし、 最後 には 身体 を 歪め て 気絶 した。
その 晩 、「 彼女 」は不思議な 夢 を見た。 大小 の 二 つの 光 の 玉 の 上 を、 金竜 が舞っている。
全身 を 金色 に 明滅 させ、ときおり 口 を 開い て 赤く 霞む 。
大小 さまざまな 二 つの 光球 が、真っ赤な 霞 光 の焼き入れの 下 でゆっくりと溶け合っていく。
一方 は、 天極 宗 迎賓 楼 の 敷地 内 にある。
荘 高寒 は、 庭 の 外 から 入っ てきた 白髪 の 一人 を 遮っ て、「 左 長老 、 天極 宗 掌 門 と 相談 してはどうか」と、きいた。
「この 天 の 極 宗 には、 元 嬰 期の 修士 が 二人 しかいない、わが 烈 陽 宗 の 建議 を、じっくり 考え てみたい」と、 左 丘 はしばらくしてから、「しかも、この 天 の 極 宗 の 掌 門 に 奇遇 がなければ、 一 、 二百 年 もしないうちに、 必ず 座化する、その 時 には……」
「この日、 極 宗 には 元 嬰 士が 一人 残っ て、孤 掌 鳴いていないにちがいない」と、その 荘 高寒 は、 一人 の 結 丹 修士 をさえぎることも 憚ら ず、にやにやと 笑っ て、「 長老 、わしの 頼み はどうか」と、いった。
左 丘 の眼には、 後 の 言葉 を聞いた 時 から、かすかな 嫌悪 の 色 が 光っ ていた。
「 今日 は 申し ましたが、この日、 極 宗 の 掌 門 からは、 何 の御 返事 もございません」と、 一 軒 の 家 にむかって 歩き 、 門 をひらいて、「あの 鼎 炉の 術 は、 所詮 は 外道 でございます、 忘れ てはなりません」と、 首 をかしげた。
「老いぼれ、もうしばらくのんきにさせてやる。 荘 高寒 は閉まった 扉 を目を 細め てしばらく見つめてから、 別 の部屋に 入っ ていった。
翌朝 、 一 晩 中 意識 を 失っ ていた『 柳 瑛 瑶 』はようやく目を覚ました。
今 『 彼女 』は部屋の 外 にある 竹 の椅子に 腰掛け て、 頭 の 中 で 急 に増えた 記憶 をゆっくりと 消化 している。
「騰 雲 崩御 、移 山 倒 海 、ここは古 巻 に 記さ れた 上古 先秦 錬 気 時代 か。」
「 斉 恬 欣 と李 婉 清 はどこへ行った!」
「でっかい 口 も塗って、あいつは」
藪 の 波 、 風 、 雪 のような 白衣 の 女 は 静か に 竹 椅子の 上 に立って、その 指 の 間 にうっすらと 華やい だ 光 が 流れ ている。
彼女 が 自分 の 世界 に 浸っ ていると、 一人 の 三 尺 の 長い ひげを生やした 赤面 の 老人 が、ゆっくりと 近づい てきた。「 柳 瑛 瑶 」
老人 は目の 前 の 女 が 反応 しないのを見て、 渋い 顔 をして 鼻 を鳴らした。
物思い にふけっていた「 柳 瑛 瑶 」は 急 に 体 が冷えてきたような気がして、 思わ ず 身震い した。 彼女 は 我 に 返っ て 隣 に立っている 赤面 の 老人 を見た。「あなた、 何者 ?」
「 伝 掌 門 法 旨 、 近々 、 万 魔 海 へ行ってきてくれ」と、 戚 長老 は 物置 袋 を取り出して 竹 卓 の 上 に 放り投げ 、「 仙 クレーターの地」と 続け た。
万 魔 海原 は泗 陽 海 と呼ばれ、 約 1 万 年 前 、どこから来たのか分からない 異界 の 魔族 が 大量 に 出現 した。
海中 の 小さな 陸地 を 根拠 地に、 北 霊 洲と 霊元 洲の 両 洲に 侵略 を 続け 、 両 洲の 総力 をあげて、 異界 の 魔族 を 撃退 した。
その棲んでいた 小さな 陸地 も、 双方 の 交戦 でボロボロになり、しかもその 中 に魔気が 充満 しているうちにジェダイの 一人 になってしまった。
「どのくらい行くの?」 柳 瑛 瑶 は、 自分 がどうして 急 に 冷静 になったのか不思議に 思っ た。「あんなところに 一人 で行けというのに、どうして?」
「 外 外 殿 へ行けばわかるが、もし 君 が無事に 任務 を 果せ ば、 掌 門 が 君 を 守っ てくれるだろう」と、 戚 長老 は 机 の 上 の 物置 袋 を見て言った。
さらに 何 かを訊こうと 口 を 開い た 時 、 長老 の 強力 な 霊 圧 が 急 に 外 に 放た れ、その 薄っぺら な 体 に向かって押し出された。
大きな 力 が 襲いかかっ てきて、『 柳 瑛 瑶 』はその場にひざまずき、 真っ青 になり、 骨 がぽりぽりと鳴る。
土下座した 女 をじろじろ見つめている 長老 は、その 強靭 さにいささかの 賞賛 を 覚え た。だがその 霊 圧 は、それよりも 一 分 勝っている。
「 柳 瑛 瑶 」はもう耐えられなくて、歯の 間 からぽつぽつと出てきた。「子、 了解 !」
戚 長老 が 指 で 一 発 撃つと、 緑色 の 閃き が 柳 瑛 瑶 の 身体 に飛び込んできた。「ふん、 勝手 にやれ!」
霊 圧 が消えた 瞬間 、 彼女 は 救助 された 落水 者 のように 貪婪 に 大きく 呼吸 した。
柳 瑛 瑶 は 地面 にひざまずいて、10 本 の 指 を 握りしめ て、 両目 は 目頭 を裂いて 地面 の 上 で 長老 の 残し た2つの 足 迹を見つめて、歯ぎしりをして 恨み を 含み ます:「これが 修 真 世界 ですか!」
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