魔剣伏仙録
羲和
第1話 宇宙の棺
果てしなく 広がる 深 宇宙 には、 星羅 が 密集 している。 悠々 とした 歳月 の 間 に 星 は消え 星 は生まれ、 整然 としていた。
宇宙 そのものだけは、いつもどおりだ。
今日 に 至る 。
白い 巨大 な 光 の輪が 唐突 に 現れ 、 光 の輪が 明るく なるにつれて、その 内部 に 白い 線 が 一 本 、また 一 本 と 現れ 、 奇妙 な 形 を 作っ ていく。
白い 光 が 太陽 のようにまぶしくなったとき、 内部 の 真ん中 がゆがんで、 真っ黒 な 空洞 が浮かび上がった。
やがてブラックホールの 一角 から、 巨大 な 石棺 があらわれ、その 表面 には、さまざまな 奇妙 な 鳥 や 獣 が生き生きとしていて、その 隙間 から、 青い 強い 光 が漏れていた。
その 石棺 は、ブラックホールから抜け出たかと 思う と、 彗星 のように、 地球 の屋根の 上 に向かって 走り去っ ていった。
・・・
エベレストでは,しょっちゅう7,8 級 の 大風 が吹いている,12 級 の 大風 も 少なく ない。
今日 、この 厳しい 氷 の 中 に 四 人 の 登山 客 が 乱入 した。 彼 らの 目標 はこの 世界 の屋根を 登る ことだった。
張子 良 は、 黒ずん でゆく 空 を見あげて、うしろの 人 たちにむかって、「もうすぐ 吹雪 になるだろうから、どこかに 避難 しよう」と、どなった。
「ヘンチャン、 吹雪 が来るのは 確か か」 話 をしているのは 彼 のルームメイトの1 人 で、そばにまた 彼 の 准 ガールフレンドの 斉 恬 欣 が立っています:「あなたは地理を 研究 するのではありませんか、どうしてまた 天気 を見ることができました。」
「 天文 地理の 研究 はいっしょにできません」と 先 に立った 張子 良 は、 少し くよくよしていた。
「ねえ、」 塗 欽 山 は 三 歩また二歩と 進ん で 前 に行って、 張子 良 に向かってちょっと 眉 をひそめて言いました:「 人 の 女の子 は 面の皮 が 薄く て、あなたはよかれと 思っ て 進ん で、その 上 彼女 の 家 の 本 の 香り の 家柄 、あなたとちょうどお似合いです、」
「どうせね、チャンスは 作っ たんだから、つかむかどうかだよ」
「でかいのは、 勝手 だよ」 張子 良 が 振り返る と、李 婉 清 と目が合った。
「 頂上 まであとどれくらいかかると 思う ?」あの李 婉 清 の1つの 浅く て 静か な 微笑 、 張子 良 に 少し 適応 することができないように見えさせます。
「 私 ・・・」 彼 は 半日 温め てちょうど 口 を 開き たいと 思っ て、1 粒 の燃えている 隕石 が 彼 らに向かって打ちつけて来ることを見る!
「はやく、はやく」
四 人 はおびえて、逃げだす 余裕 もなかった。
「ドカン!」
すさまじい 衝撃 で 地響き がし、 雪崩 があちこちに 転がっ た。
山腹 の 内
「な、なんだこれは!」 先 に眼をさました 張子 良 は、きょろきょろとあたりを見まわすと、 思わ ずつばをのみこみ、 背筋 に 冷や汗 をかいた。
「あ・・・!」ゆっくりと目を覚ました 斉 恬 欣 は、目の 前 の 光景 にひどくおびえた。
いつも 神経 の 高い 塗 欽 山 でさえ、 顔 は 青ざめ 、 唇 は 震え ていた。
わずか 十 メートル 四方 の 空間 に、ひからびた 形 をした 死体 がびっしりと散らばっているのが、この 暗い 洞窟 の 中 ではいっそう 人 にしみて見えた。
死骸 はみな、 生前 に 大きな 苦痛 を受けたかのような 獰猛 な 顔 をして、 山腹 の 奥 にむかって、 何 かを 祈る ように 平伏し ている。
「あんたたち、 元気 ?」 張子 良 は、 三 人 の 顔 を見て、みな 無傷 であることに 安堵 した。
「 私 は 大丈夫 、 皆 さんは?」 最初 の 恐怖 を 通り越し て、「こんなところに、どうしてこんなに 死体 があるんだ」と 普通 になった。
斉 恬は 雪 に 覆わ れた 穴 を見上げ、「 私 、ここで死にたくない・・・」と 泣き声 を上げた。
塗 欽 山 はゆっくりと 彼女 を 懐 に引き入れ、 斉 恬 欣 の 長い 髪 を撫でながら、「 私 はここにいます。 私 はここにいます。 深 呼吸 して、リラックスしてください」と 慰め た。
「このミイラは、 別 の 年代 の 服装 をしていたらしい」むしろ李 婉 清 は 大胆 に見ていた。
「 別 の 年代 の?」 張子 良 は、「 古代 の 墓穴 に落ちたのか」とおどろいた。
「ええ、 年代 はわかりませんが、 少なく とも 千 年 は経っていると 思い ます」
「 私 たちは・・・やっぱり行く・行く・・」 張子 良 はまだ 何 か言いかけて、 突然 ひとしきり 低い 声 が 彼 の 心 の 奥 で 響い た。
その 声 には 大きな 魔力 があるらしく、 張子 良 は 思わ ず 山腹 の 奥 へ行ってしまった。
「 張子 良 」
「おい、ヘンチャン、どこ行くんだ!」
いくら呼んでも効き目がないので、 塗 欽 山 は駈け寄って 張子 良 を 制止 したが、 張子 良 は 逆手 で 叩き飛ばし た。
地下 洞窟 の 中 には、 古めかしい 巨大 な 祭壇 が 横たわっ ていた。
祭壇 が 一段 ずつ上がっていくと、 一番 上 には 数 丈 もある 石棺 が立っていた。 宇宙 の 底 から飛んできたものだった。
今 、 石棺 は 透き通っ ていて、飛 禽 走 獣 の図は消えて、その代わりに、とても 古い 文字がひらめいて、 混沌 とした 気配 が 棺 の 隅 から漏れていた。
「き、き、き、き、・・・」
石棺 の 影響 で、 祭壇 の 縁 に 鎖 でつながれていた二 体 の 死体 が、 生き返っ て、 体 をゆがめてよろよろと立ちあがったが、いきなり、すぐそばにいた 張子 良 をひっつかんだ。
かれらの 乾い てくぼんだ眼の 縁 には、 黒い 幽 芒 がうかんでいた。そしてかれらの 開い た 口 から、それぞれふたつのひらめきが飛び出して、 張子 良 の 体内 に 没し た。
塗 欽 山 幾 人 かが 息 を切らして 洞窟 へ 走っ て行くと、 張子 良 が 祭壇 のてっぺんに よじ登っ ているところだった。
塗 欽 山 の 何 人 かの 后 ろで、 意外 にも 一 切れの 乾い た 死体 がまるで生きているようで、ヨチヨチと 后 ろから追いかけて来ます!
乾い た 死体 たちは、目を真っ赤にして、 低い 悲鳴 をあげ、 高い 声 で怒鳴り、死後、 大きな 苦痛 を受けているかのようだった。
石棺 から 溢れ出 た 霊光 に 影響 されて、 低い 音 が 白い 光 とともに 祭壇 の 中 から 響い た。
「 張子 良 、 張 怪 」
塗 欽 山 は怒鳴ったが、 張子 良 は 耳 を貸さなかった。 彼 は 石棺 のそばに よじ登り , 両手 で 力 をこめて 棺 の 蓋 にしがみついた。
何 人 かの 人 は 彼 の 両手 が 強烈 な 青色 の 光芒 を 発散 しているのを見て、 身体 は 混沌 の気の 腐食 の 下 で、 次第 に気と血を 失っ て、 乾い た 死体 のようです!
張子 良 の 力まかせ で、ようやく 蓋 がひらいた 棺 のなかには、 宇宙 が 葬ら れているらしく、 無数 の 星 云がうかんでいるが、その 中 の 星 云は、すべて 暗澹 たるものであった。
棺 の 中 から 流れ てくる 混沌 とした 気配 に 影響 されたのか、ふらついていた 死体 たちが、 急 に 凶暴 になり、われ 先 にと 祭壇 へとびかかってきた。
何 人 かのパニックの 時 、李 婉 清 は 突然 祭壇 の 上 を指して言った:「 早く 見て!」
「なんだ!」
塗 欽 山 と 斉 恬 欣 が見上げると、 張子 良 は 石棺 の 中 に 入っ て消えてしまった。
近づい てくる 屍 潮 を見て、 何 人 かは 鍋 の 上 の 蟻 のようにいらいらしていた。そのとき、 祭壇 のてっぺんの 石棺 が、ゆるゆると閉じはじめた。
斉 恬 欣 は、 青ざめ て、「どうしよう!」
「そんなことはどうでもいい。うちも 入る 」 塗 欽 山 が 話し ている 間 に、 斉 恬 欣 と李 婉 清 を連れて 祭壇 のてっぺんまで 登っ て行った。
三 人 は 石棺 が 合体 する 前 に、なんとか 中 に 入っ た。
ドカーン、と 石棺 が 完全 に閉じて、そのあと、 天 を衝くような 霊光 が 爆発 した。その 霊光 はとてつもなく 巨大 で、見かけは 混沌 としていた。
その 霊光 が、 天 を 破り 、 宇宙 の 壁 を 破り 、この不気味な 石棺 を乗せて、 中 へ 入っ てゆく!
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