第6話
「ふう・・お、見えてきた」
魔物の死体をライラの力で作った縄で繋ぎ引きずる事1日ようやくクリスタリア王国王都クリスタリアが見えてきた。
歩いてここまで来るのに予想以上に時間がたってしまった
一休みと立ち止まった時、ライラの力で強化された視力で外壁の門が開くのが見えた。そこから10人ほどの騎士が馬に乗ってこちらに向かってきたので俺は苦笑いを浮かべ彼らが到着するのを待った。
「そりゃ街の近くに魔物の大量の魔物の死体を引きづってくれば警戒されるよな」
今日もいい天気だと空を仰ぎぼんやりしていると彼らが到着した
「馬上より失礼。私はクリスタリア騎士団第15騎士団隊長、アズマ・グレゴリーと申す。其方と後ろにある魔物の死体についてお聞きしたい」
第15騎士団、王都の外壁を警備する騎士団だ
まさか隊長自ら来るとは思わなかったな
俺は馬上より見下ろしてくるグレゴリー隊長に目線を合わせ
「俺はソラ、ハンターになるべくこの街に来た。この魔物達はその手土産だ」
ハンターそれは魔物討伐から子守りまで依頼があれば何でもこなす便利屋みたいな職業。たしかに子守りやどぶさらいなど底辺の仕事をしていれば名声は集まらない。しかし魔物討伐は話が変わってくる。危険で凶暴な魔物達を狩ってしけば自然と名声を集めることができる。そう考え俺はハンターになることにしたのだ
それにクリスタリアにはそれとは別にもう一つやりたいことふぁあったからな
「手土産・・?」
「ああ、ハンターになるには試験が必要だろう?それに受かったとしてもハンターにはランクがありそのランクにあった仕事しか受けられない。ランクを上げるにはギルドへの功績ポイントと試験が必要だ。だが俺は一々そんなめんどくさい事をするのが嫌でな。手っ取り早く実力を示すためにこいつらを狩ってきた。お分かりか?隊長さん」
俺はあえて不遜な態度で説明した
俺がエドワードだとバレれば街に入れてもらうことはできない
それでは俺のやりたいこともできなくなるかもしれない
だから俺はエドワードとは真逆の人間になる必要があった
俺の説明に隊長の顔はかすかに歪む、恐らく無礼な奴と思ったのだろう
「事情は分かった。しかし、その魔物達を街の中に入れる事はできん。その魔物達はここに置き、貴殿だけ来てはいただけないだろうか?」
「いやだね。こいつらは禁断の森の魔物達だ。その素材はの価値は果てしなく高い、俺がいない間にねこばばされたらたまったもんじゃないからな」
「禁断の森の・・」
そうつぶやくと体調は俺の後方で横たわる魔物の死体の山を見上げ、ごくりと喉を鳴らした。
「な、ならば、貴殿が離れている間、我々騎士団が見張りを立て警護しよう。それならどうだ?」
「却下」
「なぜだっ!?」
「俺はこれを自身を売り込むための道具としても使うんだ。これをこのまま持って街に入ればさぞやいい宣伝になるだろ?」
俺の目標とやりたいことをするには俺の知名度を上げないといけない
いくら街の外に魔物の群れがあると話題になっても俺が倒したとすぐに分かるわけではない。だが、このままこいつらを引きずり街に入ればすぐに話題性抜群な上に顔も広く売れる。(まぁ、顔はヘルムで隠してるんだけど)
このヘルム、ライラの力で顕現した物の為熱くもないし重くもない
しかし、なんか俺的には四六時中つけるには抵抗がある
なにか他に変装の手段を考えなくては・・
考え込んでいろと隊長が叫ぶ
「ふ、ふざけるなっ!!王都を守護する騎士の一人としてそのような理由で王都が混乱に陥ることが分かりっきている物を放置できるか!!我々の指示に従えなければ王都への立ち入りを許可しない。速やかに去れ!!逆らえば斬る!!」
そう言って剣を抜くグレゴリー、彼に合わせ後ろにいた騎士たちも剣を抜いた。
これは面白くなってきた!!
★★★
クリスタリア王国王城
国王エリアス・クリスタリアは外壁からの報告を受け頭を悩ましていた
数刻前、外壁で警備をしていた第15騎士団が大量の魔物の死体を引きずってくる謎の人物を発見したとの事。
この段階で王の思考は止まった
なにそれ?と
次に受けたのは謎の人物に接触した騎士15名のうち14名が返り討ちにあい重症、残りの一人だけ軽症で謎の人物の目的やなぜ戦闘になったのかを説明した。
その報告を受けた王は頭を抱えた
確かに騎士の言葉をぶった切ったのはあちらだ
普通なら捕縛していただろう
普通なら
謎の人物は危険度SSランクの禁断の森の魔物達を大量に討伐した実力者、そんな相手に剣を抜くなど自殺行為だ。そこは一旦その場に留まってもらい国王である自分かハンターギルドに問い合わせて欲しかった。
そしてさらに仲間をやられたと思った騎士団は応援を要請、すでに第10~14までの騎士団が出動しており全て全滅させられている。しかもそれぞれの隊の隊長や幹部は重症で今は集中治療中だ。
「陛下、どうしましょう?」
「・・・・」
普段、ちくちく苦言を言う宰相が今にも泣きだしてしまいそうな顔で問いかけてくる。そんなの自分が聞きたいわ!!
とりあえず今は騎士団長に厳命し外壁での監視に留めている。
向こうもこちらが動くの待っている様子のようで、今は動きがない
というか魔物を解体し食事をしているそうだ
「父上」
「おお、サイモン」
どうしたものかと悩んでいると頼れる息子が現れた.
「父上、私にお任せください」
「お前が行くのか?」
「はい。私が私の直属の紅の騎士団を率いて対応します。もしも奴が我が国に益をもたらす存在なら飼いならして見せましょう。」
「その逆なら?」
「しかるべき対処をします」
そう言って笑うサイモン
王はそんな息子を頼もしく思い許可を与えた
サイモンは一礼し退室する。
王の部屋を出たサイモンは外に控えていたマースに声をかけた
「すぐに出発準備をしろ。幹部は全員集めろ。」
「了解。団長」
サイモンは準備を行い出撃した。
処分した兄の元へと
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