第4話
「ところでライラ、聞きたいことがあるのだが?」
「なにかな?」
「ここはどこなんだ?」
粗方笑い終えると私は椅子枚を正しライラに尋ねる。
私は確かに誰も帰れない古の塔に入った
しかし私を待っていたのはこの素晴らしいひと時
もしかし私は入ったと同時に魔物に殺され、今見ている物は神が私に与えた最後の安らぎなのではないかとすら思える。
「ここ?ここはね、
「精霊の社?」
精霊?大昔にいたとされる幻の存在、その名を冠する社?
余計にわからん
私は疑問に頭を傾けているとライラがさらに続けた
「そう、ここは認められた人のみが入る事が出来る特別な場所なんだ。だからエドは選ばれたんだよ!!」
「それはうれしいな。ちなみに何に?」
「なにって、精霊だよ!!ここにいる精霊と契約することができるんだ!!」
「契約?精霊と契約することができるのか?」
「できるよ!!聖霊と契約することでその力を行使できるんだ!!」
「それは、すごいな」
精霊、伝承でも度々名前が上がる
一説には自在に火や水など自然の現象を操り世の理を外れた強大な力を有していたとか。そんな力が使えたらあいつらに復讐することができるだろうか?
私の脳内に父上や母上、サイモンやその配下、私を見下してきた多くの者たち。
そして最後に私を嘲笑うシルビアの顔はよぎる
あいつらに目にもの見せてやりたい。
あいつらのプライドをずたずたにしてやりたい
そう思った。その先の残酷な光景までも再現したいと
だが顔を上げライラの顔を見た時、その考えは霧散した
私はただ認めてもらいたかっただけ
別に仕返しがしたいわけではない
頭を振り再びライラを見る
彼女はそんな私を見てにっこりと笑いかけてくれた
「ふふ、決心はついたみたいだね」
「ああ、私いや俺はすべての人から認めてもらいたい。そして俺のような人間の手を差し伸べられるような人間になりたい」
俺とライラの視線が交差する
しばしの見つめ合い
ライラがぷっと息を吐いた
「ふふ、すべての人に認められたい?それは大変そうだね!!でも面白い!!いいよ!!私が応援してあげる。貴方の道を妨げる者すべて私が排除する。さあ契約の時だよ!!」
「わっ!!」
ライラが立ち上がる。
すると先ほどまで座っていたソファーを初めすべての家具が無くなった。俺は慌てて立ち上げる。
ライラは俺の方へ手を伸ばし微笑むそして
「我は12星霊の一柱ライラ、今ここに汝と契約を結ぶ。汝、名を名乗れ。汝の魂に刻まれた名、
今までのライラからは感じなかった重々しい覇気、気を抜けば一瞬で気を失ってしまうようなプレッシャーに何とか耐え答えようと口を開こうとしたが
魂名?なんだそれ?
普通にエドワードと名乗ればいいのか?
俺は自身の名、エドワード・フォン・クリスタリアと言おうとした時
「我名はソラ、すべてを包み込む大空の名を刻む者。我、12星霊の一柱ライラと契約を望む」
口が勝手に動き、先の言葉を発する。
ソラ?
なんだこれ?
俺の名乗りを聞いたライラはまた微笑み
「ソラ。其方の願い聞き届けた。今ここに契約はなった。よろしくねソラ!!」
最後に彼女らしい笑顔を向けて光の粒になった
「ライラ!?え?」
ライラの粒は俺の中にゆっくりと浸透するが如く入ってくる。
暖かい、心が満たされていく感覚だ
粒がすべてなくなるとまた強い光が俺を襲った
「またか!?」
そして俺は光に飲まれた。
★★★
暗い部屋の中、女は水晶を見てほほ笑む
「うん、第一段階終了と。これであの子をいじめる奴らからあの子を守れるわ」
そう言って再度水晶に移る少年を見て女はまた笑う
「待っててね?全部終わったら逢いに行くから」
そう言って女は立ち上がった
「さて、次の準備しなくちゃ!!」
女は立ち上がり部屋を出て行く
部屋に残された水晶には一人の少年の姿が映し出されていた
それは笑顔の少年の姿だった。
★★★
「ここは?」
光が収まり周りを見渡すと鬱蒼とした森の中だった
そして俺はこの森を知っている
「禁断の森?もしかして」
俺が立っている地面を見ると何か大きな建物が立ってい様な円形状の痕があり、俺が馬車で連れてこられた方向を見るとうっすらと馬車の車輪の痕が残っていた。
『気がつた用だね』
「ライラ?」
『そうだよ!!ソラが私と契約したことで私を封印していた天秤塔が消失したんだよ』
「天秤塔?それが古の塔の本当の名前なのか?」
『古の塔?そう呼ばれてたんの?ま、いいか。それでこれからどうするの?』
「そうだな、このまま禁断の森の魔物を退治しようと思う。ライラの力を借りればできるよな?」
ライラと契約した際に俺の頭の中にライラの情報が流れ込んできた
発現方法や能力の使い方、そしてもう一つ
『もっちろん!!私の力を使えばどんな魔物も余裕だよ!!ほら、さっそく来たみたいだよ?』
「え?」
ライラに言われ顔を上げると俺の視界に飛び込んできたのは
「がぁぁぁぁぁあぁあぁぁ!!!!!」
上空から大きな口を開けて降下してくる1匹のドラゴンだった
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