ミッション4 恋はそんなに甘くない

それは梨沙が休日の日の事であった。


リビングには飼い犬のペペロンチーノの戯れる梨沙と、母の友里恵がいた。

「あら、今日は梨沙の運勢悪いみたいね」

友里恵が見ているテレビには今日の星座占いの結果が出ている。

最下位に梨沙の星座が表示されていた。

「うわ~今日は運勢最悪じゃーん」

梨沙はペペロンチーノのブラッシングをしながらなので、占いの結果などすぐに忘れた。

だけど、再びこの占いの結果を思い出す事になったのだ。



ペペロンチーノとたっぷり遊んだ梨沙は、ソファに寝っ転がりスマホをいじり出す。『うさ恋』にログインするためだ。


ボロネーゼのお世話をしてから、うさぎちゃん達との交流開始だ。


まずはチョコちゃんを発見。

いそいそと梨沙はアイテムボックスから、うさぎが食べれる野草…タンポポをボロネーゼに持たせる。



『チョコちゃんは、耳をピンッとまっすぐ上に向けてうたっちをしている。どうしますか?』


うたっちとは、うさぎが立っている姿の事を言うそうだ。なんだか幼子が立っているようで、とても愛らしい姿である。


「さぁ、ボロネーゼ…!チョコちゃんにタンポポをプレゼントして、仲良くなるわよ!」

梨沙が勢いよく『アイテムをプレゼントする』をタップする!


『チョコちゃんは逃げ出してしまった!』


「なんで!?」

梨沙の疑問に答える様に、ポンッと画面に新たな『うさ知識』が表示される。


『うさ知識 うさぎが立ち上がってる時は、興味や警戒心が高くなっているよ!さらに、耳をまっすぐ上に立てている時は、全方位から音をキャッチしようとしています。また、緊張している時は、しっぽを上に向けています』


「あぁ~…そうなんだ。クッ…チョコちゃんとの新密度上げたかった…!」

気を取り直して、他のうさぎちゃんを探すことに。

今度はプラムちゃんを発見。

「よし!ボロネーゼ、毛繕いをして仲良くなるわよ!」


プラムちゃんに近づく事に成功し、毛繕いもプラムちゃんは大人しくされている。


『プラムちゃんとの新密度+2 されたよ!プラムちゃんからお返しに、ちょっとだけ毛繕いをしてもらえたよ!』


「よしっ!これでプラムちゃんとの新密度が9だ!」

梨沙がパアッと笑顔になった次の瞬間だった。


『プラムちゃんとの様子を遠くで見ていたマロンちゃん。マロンちゃんとの新密度が-1されたよ!』


「は?え…ちょっと待って!マロンちゃん!違うの!君の所にもこれからいく予定だったの!!」

「ちょっと梨沙!うるさいわよ~あぁ、何て言ったのかわからないじゃない!」

友里恵がリモコンを探して見ていたドラマを巻き戻ししている。

「私も巻き戻ししたい…マロンちゃん~!」


結局、マロンちゃんを探すも見つからず。他のうさぎちゃん達との交流も、逃げられたり、うさパンチをくらったりで散々であった。


そこで梨沙はふと思い出す。星座占いで、確かこんな文章が書かれていなかったか?


『本日、恋愛運が最悪。人間関係には気を付けて!』


「人間関係と言うか…うさぎ関係…」


人間もうさぎも、時にはそんな日もある。

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