ミッション2 まずは行動すべし!
自然界の動物には、自分の子孫を残す為に複数の妻を持つ…一夫多妻制の動物も多くいる。
うさぎもその1つである。
「つまり…自分の子孫を産んでくれるうさぎちゃんを探すゲームってこと?」
梨沙がそう聞けば春奈は「簡潔に言えば、そうだね」と答える。
「となると…強いうさぎといっぱい戦って、うさぎちゃん達に『ボロネーゼってめっちゃ強いんだぜ☆』ってアピールすればいいってこと!?恋愛シュミレーションって言うよりバトルゲーム…!?」
子孫を沢山残せる雄は、総じて強い。強くないと、雌に見向きもされないし、他の雄達に雌を取られてしまうからだ。
力こそ正義…と呟く梨沙。
しかし、春奈は「違うんだなぁ」と言う。
「言ったでしょ?このゲームは恋愛シュミレーションゲーム。ほらほら、画面をよく見てご覧なさいな」
「何々…『貴方のうさぎを綺麗にしましょう』?」
生成色のうさぎ…ボロネーゼの側に櫛のアイコンがある。
梨沙は櫛のアイコンをドラッグしてうさぎの背中辺りを撫でるように櫛で梳る。
「あ、何かボロネーゼの回りにキラキラ~ってエフェクトが…!」
『ボロネーゼの魅力が +5 されたよ』
『うさ知識 うさぎのモテる秘訣の1つは、身だしなみが綺麗なこと!身だしなみが綺麗なのは健康の証!』
「なるほど~!確かに、死に絶えそうなうさぎの子孫は残そうとは思えないよなぁ。体の弱い子どもが産まれたらお母さんうさぎ、困っちゃうよね…」
「ほら、梨沙。画面をよく見て」
春奈にそう言われて画面を見れば…
「あ!うさぎちゃんが寄ってきた!!可愛い~ほうじ茶色の毛並みが素敵~!」
「そこは、チョコレート色って言わない?何故にほうじ茶…」
春奈がそう呟くが、梨沙は聞いていない。画面には何やら選択肢がいくつか表示されている。
『どうしますか?』
『1 踊る』
『2 歌う』
『3 毛繕いしてあげる』
『4 無視する』
「踊る…歌う…は、歌う?待って、うさぎって歌えるの!?てか、うさぎの鳴き声とか知らない!!『うさうさ』ってなくわけないよね!?」
梨沙が春奈にうさぎの鳴き声について聞こうてすると、ポンッと音がなる。梨沙が画面を見れば何やら表示されている。
『うさ知識 うさぎも鳴きます!非常時の時には鋭い声を出したりします!基本は捕食者に狙われる可能性があるため鳴くことはありません』
「なるほど~!何かこのゲームをやるだけで、うさぎについてめっちゃ詳しくなれる…!ハッ!ゲームクリアする頃には私、うさぎマスターになってるかも!?」
「ふふ、うさぎマスターって何よ…。それで…梨沙、どうするの?」
春奈に促され、梨沙はちょっと悩んだ末に『3 毛繕いしてあげる』を選択した。
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