第3話 考察2
どれくらいの時間がたったか、俺は再度冷静になり考える。
自分が今まで思い描いた能力は、触らなくても物を動かしたりするサイコキネシス、人や物から情報を知れるサイコメトリーなど、漫画やアニメのような能力なんだ。
超能力なんていう非科学的なものを信じている俺は、当然のように漫画やラノベが大好物だったりする。(歳を考えろなんて言葉は受付ない!)
そこから考えて、俺の能力がこれだけのはずがないと思いなおしたとき、身体の違和感に気付いた。
身体に異常が無いのだ!
60歳にもなれば色々と身体に支障が出てくるんだ。
俺も腰痛持ちだしな。
それが何ともないのだ。痛みどころか、身体が軽いとすら感じる。
これは青い霧が関係していると考えていいんじゃないか?
神社の伝承と同じだとして、青い霧は病だけではなく、人体に好影響を齎してくれるんじゃないか?
仮説にすぎないが何となくそうだという確信みたいなものがあった。
だとしたら、今迄腰の痛みが取れなかったのは霧が見えるかどうかか、もしくは見えなくても認識できるかどうかかな?
段々と俺の能力が解ってきたぞ。
伝承の犬は霧を操っていたとされる。
だとしたら俺にも操れるんじゃないか?
俺は右手を前にだして霧を集めるように念じてみる。
すると手のひらを包むように霧が集まってきた。
「オォー」っと声が出てしまう。
明らかに周りよりも濃い青が俺の手に集まっている。
伝承では身体の中に霧が入っていったんだよな?
俺は右手から霧を吸収するイメージで念じてみる。
すると右手に吸われるように霧が右手の中に入っていく。
そして驚く事に右手だけが若々しい肌に代わっていた。
「凄いな、これ」
俺は右手と左手を見比べて呟く。
今度は逆の効果には出来るのかと思い、霧を右手から出すように念じてみる。
すると直ぐに元々の皺のある手に戻る。
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