第2話 考察
「はっ、何だこれ?」
意味が分からず茫然としてしまったが、段々と頭が働いてきたところで1つのことを思い出した。
俺が神主をしている神社には古くからの言い伝えがあり、伝説と言っていい物語があるんだ。
神社の名前は〈蒼犬神社〉といい、昔この辺りがまだ村というか小さい集落だった時、流行り病であわや全滅という時、青い霧と共に青い犬が何処かからか現れたらしい。
犬と言っても普通の犬ではなく、額に角があり、大きさは成人男性よりも大きかったらしい。
その犬が一鳴きすると青い霧が意思を持っているように動きはじめ住民の身体の中に入っていき、直後、住民全員の病が治っていたという。
気がつけば犬も霧も消えており、住民は神の御使いとして崇め奉り、現れた小高い丘の上に【蒼犬神社】を建てたという言い伝えだ。
そういう流れで無病息災が神社の御利益となっている。
「それにしても毒ガスにしか見えないよな、これ」
俺は感じたままを口に出し、暫し青い霧の中で周りを見渡していた。
それにしても何でいきなりこんな事になってるんだ?
そうだ!こんな状態なら付近の人はパニックになってるんじゃないか?
俺は起き上がり窓から外の景色を見る。
前述のとおり、ここは少し高い所に建っており、住宅街を見下ろせる場所だ。
だから結構見晴らしが良い。
そして気付いたのは神社周辺は霧が濃いのに下に広がる住宅街は霧が薄い。
「どういうことだ?」
道路は普通に車が走ってるのが見える。
パニックになってるような感じはないし、いつもどうりに見える。
「それにしても見難いな」と呟いた時だった。
「はっ?!」
青い霧が消えた!?
そこにはいつもどうりの住宅街があるだけだった。
これは夢か?
確かに霧はあったよな?と思ったら、また青い霧の中にいた。
またまた茫然としてしまったが、落ちついて考える。
ひょっとして見る、見ないで切り替えが出来るのか?
この考えは正しかったようで自分が思うように視界が切り替わる。
考えた結果、この霧は元々有るもので世界を覆っている。
俺は見たことはないが、幽霊が見える、見えないと似たようなもの何じゃないか?
「これが俺の超能力なのか?」
そう思うも、いったいこれが何の役にたつんだ?とその場で崩れ落ちた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます