第11話 携帯忘れちゃった!
仕事が終わって帰宅した途端、
「携帯忘れちゃったんだけど……」
子供に言われた。
曰く、学校の友達の机の中に置き忘れてきた記憶がある。
時間は午後10時。
間違いなく学校は開いていない。
しかも運悪く、明日から3連休。
「明日は土曜日だから、部活とかで学校開いてるから朝イチで送って!」
おい!そこは「自分で行ってきます!」じゃないのか?
折角の休日の朝寝が無くなった瞬間……。
翌朝。
送っていきました、学校。
みんな、早いね。もう部活やってるよ……。
さて、ムスコは……。
「朝アラームかけてるから、もしかして先生に気づかれてるかも!
没収されてたら反省文だし……。
や、でも友達の机だし、
俺のってバレないかも!」
いやいや、そんなことは無いから、さっさと教室へ行って回収して来い!
今の学校は教室には時間外は勝手に入れないらしく、職員室に教室の鍵を貰いに行かないといけないようだ。
「携帯忘れたので、教室の鍵を貸してください。で、いいかな?」
いや、そんなこと言ったら途端に反省文行きだよ。君……。
なにせ教室への携帯の持ち込みは校則で禁止されている。
廊下にあるロッカー内へ、カバンごと入れておかなければならないのだ。
「そこは忘れ物をしたので!でしょ?」
「あ、……そうか」
我が子ながら素直と云うか、単純と云うか、わからんヤツだ。
さて、職員室に向かったムスコ。
自分は車の中でかなり待たされた。
これは、キチンと獲物をGetできたか?
十数分後、車に戻ってきたムスコの手には、何も無かった。
「教室の鍵が無かった……。担任が持って帰ったらしい」
え?
事の顛末はこうだ。
職員室に担任の姿はなく(当たり前だ、土曜日だもん。休みでしょ)、仕方なく部屋にいた別の先生に鍵を貸してもらうように頼んだ。
先生はキーケースまで鍵を取りに行ってくれたが、鍵が無い!
スペアなんかも探してくれたが、それも見当たらない!
で、職員室にいた他の先生方に聞いてくれたものの、やはり無い!
で、それらの先生達と出した結論が……。
「持って帰ったな……」
それもどうかと思うけれど、先生も人の子。仕方がない……。
不運に見舞われたムスコは連休中、スマホ無しの生活を強いられた。
でも意外とのんびり、快適そうに過ごしている姿を見ていると、案外携帯を持たない生活をするのも悪く無いかも知れない。
連休明け、普段よりも早起きして学校に向かったムスコは、教室に一番乗りして無事にスマホの回収に成功したとさ。
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