第9話 愛犬と書いて嬢と読む?つぶやき

 我が家にはワンコがいる。年齢はシニアの粋になるのだがメスだ。

 そう、我が家のワンコは女の子なのだ。

 

 人間という異種の動物に対してもやはりメスはオスに弱いらしい。

いや、逆か……。

 ワンコは我が家の男性陣に対しては可愛らしい鳴き声で甘える。

 自分に対して全く甘えてこない訳ではないのだけれど、甘え方が違う。


 云うなれば、媚を売る。


 まあ、それに乗せられてホイホイと、おやつを与えてしまう男どももどうだかと思うが……。


 という事で、今日もデレた我が家の男達はワンコを甘やかす。


「あれ?まだお腹空いてるんじゃない?」

 ワンコのお腹をしながらダンナが声を上げた。

 ワンコは大人しくされるがままだった。

「やっぱりお腹空いてるよ。何かあげたら?」

 周りの人間に言うだけでプイとそっぽを向いたダンナ。


 瞬間。


 ワン!!


 ワンコの一喝が響いた。

 睨む先はダンナ。

 スクッと立つワンコの姿は


「ちょっと、アナタ!

お触りはタダじゃないわよ?」


「……」

「ワン!」

「…………」

「ワンワン!!」


 おいおい、ワンコ。

 は、キャバ嬢ですか?!


 

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