僕たちのスクールライフ

ヤスヤス

第1話 転校生 来場総司

朝の教室でのSHR、何やらクラスがざわついている。

どうやら今日、うちのクラスに転校生がやってくるようだ。

おっと、まだ僕のことを紹介してなかったな。

僕は諸道健人。どこにでもいる高2の男子だ。

まあ転校生だか何だか知らんが、僕が関わることはないだろう。

僕はそう思っていた。あの時までは…


転校生がやってきた。顔立ちが整っていて、目はきれいな二重、少し濃い眉毛がかっこよさを掻き立てている。


「初めまして!来場総司といいます!色んな人と仲良くしたいです!

宜しくお願いします!」


彼は明るく元気のある大きな声で言った。まるで僕とは真逆だな。

僕には友達と呼べる人なんていない。いつも一人だ。でも寂しくはない。

無理に人と関わることがもたらすことなんて悪いことしかないと僕は知っているからだ。僕の学校生活はこのまま何も変わらず終わっていくんだろうな…

そんなことを考えていたら、彼がこちらに近づいてきた。


「俺、来場総司。君、名前は?」

明るく輝せた眼でこちらを見ている。これは答えるしかないか。

「諸道…健人…」

小さな声でぼそっと答えた。なんせ人と会話するのなんて、

一週間ぶりだからな。声の大きさの調節さえ忘れていた。

でも彼はニコッと笑い、笑顔で

「諸道健人か!良い名前だな!よろしくな健人!」

と言った。

この時、なぜだか僕はこの彼の言葉が気持ちの籠もった言葉だと思った。

彼は不思議な力を持っているのかもしれない。そんなことを考えた。


次回「転校生と僕」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

僕たちのスクールライフ ヤスヤス @yasyas51

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ