第8話 ポーンコツ公爵領でも内乱勃発か?

 時を遡ること、モンスタースタンピード作戦が失敗した、ポーンコツ公爵の城では…



 ポーンコツ公爵

「なんてことだ…


あの、魔王軍対策の為に用意した、とっておきのブラックブラッティ・イノシシ(なぜか日本語なのです)が、簡単に斬られるなんて!」


ポーンコツ253世

「なんだよ!あのデタラメさは!


どうなっているのだ!


答えろ!」



近衛師団長ザーサイ

「やはり、魔王を倒した者だということでしょうな。


 陛下、我らが攻めたならば全滅は必然!


 和平を結ぶしかありません!」



ポーンコツ253世

「クーーソーーーーーー!


そんな事をすれば、最低でも3兆!イヤ4兆近くの出費だぞ!


 大事な金を、払ってたまるか!」



宰相ホウレンソウ

「それだけでは、済むまい。


元の世界に戻せなんて、言われたら…


どうするんだ!


この世界管理者サーギー様に、勇者召喚した者を、元の世界に返す事は禁じられている。


だが、この忌々しいスキルの束縛があるせいで、もし報奨金を払わねはば払う代わりに元の世界に戻せなんて支払い条件を変えられたら、儂らはどうなるか…。」


 


ギィヤーーーーーーーーーーーー!


城に、女性達の叫びが響く!


廊下のメイド達も叫んでいた。




応接の間に、ポーンコツ公爵夫人3人が血相を変えて乗り込んでくる!



「「「公爵様!大変でございます!


ステータスプレートを見てください!」」」



言われるまま、ステータスプレートを見た公爵は、絶句する!



そこには、


罪状

暗殺・襲撃を行なった者


賠償金

算定中


他の賠償方法

検討中



と、一番始めに書かれていたからである!



そして、胸に焼ける痛みが走る!


契約のマークだ!



見れば、公爵夫人達も使用人達にもついている!



近衛師団長や、宰相は、苦しそうだ!


ポーンコツ253世は、泡を吹いて気絶していた。



なんて事だ!


クソ!


モンスタースタンピードの事がバレた!



ポーンコツ公爵は、手紙を書かせる。


戦争をするぞと、匂わせてこの契約のマークを外せと、書かせた!


フクロウ便で、送るが…



送ってから気がついた…


魔王倒した奴に…


モンスタースタンピードを、あっさり全滅させた奴に、戦争なんて脅しは効かないと…






気がついたポーンコツ253世が、怒鳴り声をあげるが、誰も聞いていない。




その日は、最悪の眠りだった。


ワインをいくつも開けてしまった。






だが、次の日は地獄だった…



ドカーーーーーーーーーーーーン!



ワインに任せて思いっきり寝ていたら、

とんでもない音で、叩き起こされた!


何が起こった!


急いで、正装に着替えて執務室に入るが…


近衛師団長ザーサイ

「その、王都の方からの火魔法系の攻撃としか、わかりません!


 被害は、ポーンコツ公爵城大門が、開閉不能

状態だと!」



ポーンコツ公爵

「何だと! 早く直せ! まさか!殺しに来るのか!


 しまった! 戦争するなんて書かなければ!」



宰相が、ポーンコツ253世に何かをささやく!


ポーンコツ253世

「クソ! 全軍退却!退却だ!」


ポーンコツ公爵

「待て!こら! このバカ兄!お前も責任を取れ!」


ポーンコツ253世

「知るか! そうだ!貴様が、あいつに報奨金を払え!そしてスキルを解除させろ!


 俺は王! 貴様は、臣下!


 命令通りにしろ!」


ゲス!



近衛師団長ザーサイが、公爵を蹴り飛ばす!


ポーンコツ253世

「フヒャピャー! もっと、蹴るのだ!」


さんざん公爵を蹴り飛ばしてから、ポーンコツ253世達は、公爵城から出ていった。




ポーンコツ公爵

「兵を集めろ! あのやろー許せねー!


許さんぞ! ぶっ殺してやる!」



ポーンコツ公爵執事

「公爵様、たった30人の領兵では無理です!


去年、経費削減のために大量に解雇しましたでしょ!


無理ですよ!それよりも…」




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


地鳴りが、城を襲う!


向こうから水の竜巻がやってくるのが、窓から見える。



公爵も、執事も、メイドも、目を丸くして身体を固めるしか出来なかった。



ポーンコツ公爵

「行ってしまった…かな?」


公爵執事

「今、確かめさせます。」


そこに、やっきたのは


公爵軍団長アスパラ

「大変です!王都方面からやってきた水の大竜巻が、出発したポーンコツ253世陛下軍を全て巻き込んで、地平線の彼方まで行ってしまいました。」


ポーンコツ公爵

「ハァ? ギャハハハハハハハハハ!


そうか!ギャハハハハハハ!


エ!…………


王都方面だと!」




ピカ!



ドガーーーーーーーン!



いきなり、城が光り!揺れ!そして衝撃が襲い、感電して、しびれて動けなくなる。



ポーンコツ公爵

「ウゥ… いっ…た…い…な…に……が…」



執事も、師団長も動けない!


だが、しばらくして公爵の娘がやってきた!




公爵の娘・長女ピーチ

「オイ!オヤジ!なんだ!この体たらくは!


俺と、パパイヤがマジメスーギ公爵との交渉から帰って来る時に、水の大竜巻?そして雷が見えたぞ!


ついに、冒険者アルトを怒らせたのかよ!


みろ!


城の物見の塔が、溶けて真っ赤だぞ!


勝てるのかよ!」




ポーンコツ公爵

「アウーーーーーーーーーーーー!」


感電していて、言葉が出ない!


公爵・次女パパイヤ

「マジメスーギ公爵から、正式に婚約破棄されました。


 マジメスーギ公爵の後ろ盾には、お祖父様(先王)がつくみたいですね。」



公爵執事

「大変です!大きな怒りを受けた公爵を殺せと、民衆が反乱を起こしました!」



ポーンコツ公爵

「ウビーーーーーーーーーーーー!」


感電は、おさまったが鎧を着た長女ピーチに首をしめられているため、言葉が出ない!



そこに、三男のタイヤキが来る。


公爵以外の者達が、頷き合って城の大門には出た。


民衆が、長女ピーチに羽交い締めにされてぐったりしている公爵を見て、怒号をあげていたのを止める。


長女ピーチ

「皆の者!聞いてほしい!」


三男タイヤキ

「見たものもいるとは思うが、やっとあのうるさい、 ポーンコツ253世の軍隊が出ていったが、水の竜巻にさらわれた!


 ここに、警告の雷も落ちた!


 そして、王都に急進派の王弟が来るとの噂が立っていたが、今、これからどうするのかを聞きに行っていた姉が帰って来た!


 その内容を聞いてほしい!」



次女パパイヤ

「私は、公爵次女パパイヤです!


今、姉と共にマジメスーギ公爵の城から帰ってきました!


その前に1つ言わねばなりません!


ここにいるポーンコツ公爵も、ポーンコツ253世も、マジメスーギ公爵も両親とも同じ親です!


血の分けた兄弟です!


はっきりと言います!


マジメスーギ公爵も、やはりこのポーンコツ公爵と同じ考え方を根幹に持つ、とんでもないゲス野郎でした!



私はマジメスーギ公爵から、このポーンコツ公爵領の民が、マジメスーギ公爵領の負債を全て背負うなら結婚してやるなんていいだいましたので、断りました!


そうすると、


「オレが次の王だ! 


逆らうなんて不敬であるぞ」


なんて言って、婚約破棄をしてきました。



そんな奴です!


そんな奴が王になっても、酷くなるだけです!


なので、英雄冒険者アルト様を取り込んで、


反乱するしか、もはやこの公爵領は生き残れません!」



それを聞いた民衆代表者は、言葉を失った。


公爵?


既に死に体だな…


他の公爵の子供達は…


長女ピーチは、怖いから話したくない。


次女パパイヤは、賢そうだから論破されそう!


三男のかわいい、たいやきくんは…


いじめたくない…。


同意するか…



後ろにいるです民衆達は、頷きあっている。



反乱集会、改め抗議デモは終わった。






だが、公爵城では修羅場がまっていた。


ポーンコツ公爵

「すいません!すいません!すいません!すいません!すいません!すいません!」


長女の指導力が無ければ、駄目だっただろうな!



そんな雰囲気から、会議は始まった。


軍備増強!


税金を所得税10%のみにする!


あとの商品税とか、戦争税は廃止!


これが決定された!


 ポーンコツ253世達が公爵城からにげ出した時に水竜巻にさらわれたが、その時に落ちた王城から持ち出した財産が、周辺に落ちていた。



 約500兆マール(約500兆円)の資産が出来たポーンコツ公爵家は、すぐに税金を下げた!


 そして、その夜次女パパイヤと三男タイヤキが公爵領から消えたのだった!










  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る