第9話 ポーンコツ王様の行方。王位の行方。

 ポーンコツ王様が、水の竜巻に囚われて行くこと1000キロメートル!


 国境の3千メートル級の山脈に竜巻の下部がぶつかり、上空で回っていたポーンコツ253世達は、山脈向こうの隣国アボカド帝国に投げ出された!



 山脈にぶつかった水竜巻は、川となって流れていったのだが…


 地面に叩きつけられた王達は…



 ポーンコツ253世

「うぅ… 国宝の軍隊保護の結界宝珠が無ければ、全員全滅だったか…


 なんだ、あの竜巻は…


 皆の者…


 誰か…動けるものは…」



 さすが国宝!


 竜巻の上部なんて、酸素が無いようなところで、高速回転状態でも、極寒の状態でも、全く鍛錬なんてしていないポーンコツ253世ですら生かすとは!


さすが国宝・宝珠マモッテルー!



しかし、その代償はかなり大きかった!



バリン!



倒れた者達は何が壊れた音なのか、わかっっていたが、動けなかった。








20時間後


やっと、動けるものが出てきて野営の仕度が始まる。


空は真っ暗…



ポーンコツ253世

「ハァ〜ハァ〜ハァ〜…


うぅ…ここは、どこだ?」



宰相

「今、斥候の帰りまちです。


天測をしている者がいますが、はたして…」



近衛師団長

「天測した者から、報告がございます。」


測量兵

「昨日の月の軌道と、今夜の軌道に他の惑星の動きから恐らくですが、あの山は我が国とアボカド帝国との国境になっている山脈なのではないかと思われます。」


近衛師団長

「我が軍の顧問から、報告がございます!」


近衛師団顧問

「陛下、むかし私が先王様と共に国境の山登りをしたときの、山の頂上から見た景色と、ほぼ同じです。測量兵の観測は間違いないと思われます。」



ポーンコツ253世

「アボカド帝国か… 内乱勃発状態だからな…


しばらく体力を回復させてから、山越えか進軍か考えないといかんな。」


珍しく真面目になったポーンコツ253世なのだが、これからどうなるのやら…





 




 一方、次期王になれるとウハウハ状態のマジメスーギ公爵なのだが…


マジメスーギ公爵

「オイ! 王都からのその後の連絡は?」


執事

「いえ…ありません。



王の行方不明の知らせと、登城してほしいと来ただけです。」


マジメスーギ公爵

「さて、どうする。


ヤツ(ポーンコツ253世)の策略か?


それにしても、あのパパイヤのヤツ強情だったな!



俺が、王になったら俺が魔王討伐の報奨金を払わないといけなくなるだろう!



あのクソ王とつるんで、人の領地の税金まで吸い上げていたポーンコツ公爵兄が、戦争経費を税金で俺の領地からも徴収していたのだから魔王討伐報奨金を払うのはポーンコツ公爵兄だろうが!


ふざけやがって!


何が?20年の歳の差婚だ!


何が、


「ピチピチのパパイヤを娶れるのですよ。」



だ!


ふざけやがって!」



執事

「ハイ!そのとおりです!


そろそろ、スパイからの報告が来る頃です。」





一時間後




執事

「不確定要素は、ギルドマスター達と冒険者アルトです。


 ギルドマスター達の半数は、こちら側ですが、半数は管理者サーギー様の一声で寝返りました。


 そして、冒険者なのですが…


 はっきりいうと、つかめない奴らしいです。


 スキルからすると、守銭奴だと予想していた者がいた者が大半だったのですが…


 その…


 閣下の予想と反して、彼は金に執着していないみたいなのです。


 そして、その…武力が…


 こちらの予想を遥かに超えていました!


 モンスタースタンピードを一人で全滅させたみたいです!



 これがスパイが、王城の塔から観測した映像です!」



マジメスーギ公爵

「な!何だと!


これは… 敵にまわれば…終わりか…」




執事

「そして、あのポーンコツ公爵家からパパイヤが消えました。」



マジメスーギ公爵

「まさか! 冒険者アルトをたらし込むつもりか!」


執事

「その可能性があります。」



マジメスーギ公爵

「決めた!王都に進軍するぞ!


師団長をよべ!


明日の朝出陣!」


執事

「ハ!」



□□□□□□□□□□□□□□□□□


さて、アルトの大嫌いな王位争奪が始まったようですね。


パパイヤさん…


あなたは本当に真実を領民に話したのですか?


あれれ?


□□□□□□□□□□□□□□□□□

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