第18話 テクエロジー

 「よし、こんなもんかな」


3つの大きめの籠に石炭がごろごろと積まれるほど採掘できたので、ひとまず今日の作業を終える。


狂ったように掘った反動で、俺の身体は疲労感を訴える。そうなると、自然と俺の身体からあの臭いが出てきたようで…


「なんだか、少し熱いなぁ」


「えぇ、そうですね班長。」


現場組班長のオリグーやその部下たちが頻りに俺をチラチラと横目にモジモジと何か堪えはじめる。


こうなるともう残された理性と時間は少なく、急いで俺は露天浴場とボイラー設備をすぐに完成させるのであった。


張り詰めたお湯に指をチョンと入れて温度確認、ちょうどいい。


「ささ、どうぞどうぞ。はいってください」


俺はムラムラと欲情しかけている彼女らを浴場へと案内する。


「じゃあ、俺は後で入るで…」


「なに連れないこと言ってんだよ。ジョースケも一緒に入るんだよ」


オリグー達は飢えた獣のように俺の衣服を剥ぎ取っていく。俺は彼女らの前で生まれたままの姿になってしまう。


「外見はあたしらと変わらないけど、股の部分になんだか変なモノがついてるね…」


「そうですね、班長。それに何処となく愛しい感じがします…」


「や、やめてマジでやめて」


マジマジと俺のパォーンを彼女らは凝視して、ついにはオリグーが触ろうとしてきたので、俺は場の流れを変えるべく一声をあげる。


「寒いから先にお風呂入っていいっすか?」


そう言い残し、俺は脱兎のごとく浴場に逃げ込む。しかし、これは問題を先送りにしただけであり、事態はさらにエスカレーションする。


俺が入ったのなら、彼女らもまた俺と同じく生まれたままの姿で浴場に入ってくる。


「…」


その少女たちの艶のある肌と程よく引き締まった身体に思わず、俺は見惚れてしまう。


そして、身体を洗い終えた彼女らが俺の入っている湯船に次々と浸かる。


「ほら、ジョースケ。皆が湯に入れるように詰めろ」


「あはっ、ジョースケさんって意外と腕細くて可愛い」


「ジョースケさんの匂いって、なんだか落ち着きますね」


ついに、肌と肌とが触れ合う距離まで彼女たちは近づいてきて、もう俺の血はお湯との相乗効果で自分の鼓動が聞こえるほどに高鳴る。


その音が聞こえたのかわからないが、顔を赤らめた彼女らはさらに俺へのボディタッチを過激にしていく。


そして、俺の全身が彼女らの好奇心と欲情を満たすためだけに弄ばれる。それでも、俺はなんとか大事な部分をガードするが、いつ決壊するかわからない状態で先の見えぬ戦いである。


ついには、人は興奮しすぎると自分が自分でないような感覚になることを俺は初めて実感する。


その不思議な状態の中で、今あるもので石炭からエネルギーや武器を作り出すアイデアが次々と浮かんだ。


一瞬の刹那の中で、テンポよく進歩できたのは性欲の為せる力。


「エロは偉大」


そう言い残し、俺は豊かな桃源郷で気絶するのであった。

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